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もっとずぶとく生きてみない
著 者
佐藤愛子
定 価
  本体1000円+税
発 行
  2018.4
ISBN
  978-4-7593-1605-6
老い力
孤独に耐えて毅然と立つ老人になりたい!
気迫に満ちた愛子センセイの老いゆく覚悟

50代、60代、70代、80代と、「老いと死」について書きつないできたエッセイをまとめた読みごたえのある1冊。老人は長く生きた分だけ智恵がある。風潮に流されず、若い世代に遠慮しすぎず、自分らしく、長い歳月の間に培った智恵を、家族や若い人の役に立つように生きたいと願う。ユーモアあふれる世相風刺と人生の哀歓を描く作品は、笑いを誘いつつ、多くの読者の共感を呼ぶ。


50代 「本当の年寄り」になる前に覚悟を決める
  1章 毅然と生きたい
  2章 伝えたい暮しへの愛情
  3章 美しい中年はあるか

60代 孤独に耐えて立つ老人になりたい
  4章 老年は人生最後の修行の時
  5章 女はバカで結構
  6章 ボケるものは怖れずボケる

70代 それでも仕事をするのは一番楽しい
  7章 老女の底力
  8章 強気老人の気概
  9章 こんなふうに死にたい

80代以後 自然に逆らわず時の流れに沿って
  10章 時は音もなく過ぎていく


私は現実をしっかり見定めずにはいられないタチなのである。そのタチに従って考え、行動し、こけつまろびつの人生を送ってきた。超現実主義というものは決して楽な人生ではないのである。
従って私には自分の書くものによって人を啓蒙しようとか訓戒しようというような僭越な考えは毛頭ない。
「私はこうなのだ。こう考えるのだ」
ということしかない。あとは読んだ人の賛否感想に委ねようという気持である。
栄養学や医学の進歩に加えて、女性が自由を得た現代では、いつまでも元気に、楽しく、美しく、若々しく生きることが一番の価値になっているようだ。今は「もう年だから」とか「いい年をして」とか「老人は老人らしく」とか、人生を諦めたようなことをいってはいけないという。煩悩讚美の風潮が主流を占めている。だが、「老い込んではいけない、『死』なんて不吉なことを考えてはいけない」と、いくらいわれても、実際に(考えても考えなくても)それはくるのである。
シワシワ、シミシミ、ヨレヨレに始まって、老衰、病苦、そうして死がくる。確かにくる。それを先延ばししようとしても駄目だ。それならその現実を静かに受け容れて、ジタバタせずに老いと死を迎える方がよくはないか?
ジタバタは苦しい。見苦しくもある。
出来るだけジタバタせずにつつがなく人生を全うしたい。
ここに収録された雑感には、私のただその一つの思いが貫いている。それらを書くことによって、その都度私はその思いを確認し、育て、老いと、そのうちにやってくる死に備えているのである。

何度読んでも思わず吹き出してしまう面白さと、本音への深い共感があります。それとともに、著者の人生や人間に対する真っ直ぐで愛情あふれる視線に畏敬を覚えます。「老年は人生最後の修行の時。孤独に耐えて立つ老人になりたい」と著者は述べておられます。その気概にあやかりたいと思います。


佐藤 愛子(さとう あいこ)

1923(大正12)年、大阪に生まれる。甲南高女卒。
1969(昭和44)年、『戦いすんで日が暮れて』で第61回直木賞、1979(昭和54)年、『幸福の絵』で第18回女流文学賞、2000(平成12)年、『血脈』で第48回菊池寛賞、2015(平成27)年、『晩鐘』で第25回紫式部文学賞を受賞。2017(平成29)年、旭日小綬章を授章。ユーモアあふれる世相風刺と人生の哀歓を描く小説およびエッセイは多くの読者の心をつかむ。
著書に『九十歳。何がめでたい』(小学館)、『私の遺言』(新潮文庫)、『晩鐘』『血脈』『わが孫育て』『我が老後』シリーズ――『我が老後』『なんでこうなるの』『だからこうなるの』『そして、こうなった』『それからどうなる』『まだ生きている』(以上、文春文庫)、『ああ面白かったと言って死にたい――佐藤愛子の箴言集』『幸福とは何ぞや―佐藤愛子の箴言』『そもそもこの世を生きるとは―佐藤愛子の箴言集2』(以上、海竜社)ほか、著書多数。





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