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イエスの実像に迫る
著 者
曽野綾子
定 価
  本体1500円+税
発 行
  2018.5
ISBN
  978-4-7593-1482-3
イエスの実像に迫る
ユダヤ人の人間力

イエスは、私生児として生まれ、ユダヤ教徒として生きた! 厳しい環境、厳格な戒律のもと、人間イエスの知性、感性はいかに鍛えられたのか?
キリスト教徒の著者が、ユダヤの原点を探り、生身のイエスの顔を解き明かす、著者渾身の名著である!


[ユダヤ社会の四十八の徳]
平凡な家庭のユダヤ教徒として生まれる
 ユダヤ教の世界から――平凡な家庭の普通の子供だったはずが・・・
 暗い噂?―汚辱に塗れて生まれた
 当時の暮らしの片鱗――ヨセフの作った家
 揺れる家――荒々しい社会だったからこそ
 村の光景?―イエスはユダヤ教徒
 畑に忘れた麦の束――信仰の根幹
 質草としての挽き臼――少年イエスの感性を磨いた社会
 四十八の徳――大工は下層社会に属していた

[意識して犯した罪、意識せずに犯した咎]
イエスの知性、感性を鍛える社会
 神殿の小世界――祈りの場であるはずが・・・
 神殿の小世界――非日常な場所
 天に昇る煙?―家畜は勢力の象徴
 安息日の過ごし方――安息日の智恵
 理屈っぽい人々――少年イエスの知性を刺激
 パンとブドウ酒の意味するもの――与えるもの与えぬもの
 農村の風景――イエスの実在性

[満九歳で一人前の男]

ユダヤ人をユダヤ人とならしめるもの
 旅を厭わない民族――エルサレムへの道
 愛と金の関係――愛はお金で測る
 荒野の男たち――十二歳はりっぱな大人
 道ならぬ恋の厳しい結末――姦通の刑
 喧嘩の値段――貧しくとも誇り高い
 パン屑を捨てる――戒律のための戒律へ
 罪を意識する――厳密だったからこそ
 苦難を教える――希望は失わなかった

[償いの掟]
ユダヤ人の理性、思想はこうして研ぎ澄まされた
 悲しみの中の生き方――あるものを数えて喜ぶ
 廃墟の意味――コミュニティをつなぐ場
 父の肩の上で――希望の本質
 断食による主の思い――断食の目的
 断食による主の思い――心配の種はつきない
 夜風の中で眠る――神から頂くものは感謝して楽しむ
 認証された危険――愛と許しの世界はここから
 狡さとだらしなさ――発見者のものか、持ち主のものか

[真理はあなたを自由にする]

あらゆる人、あらゆるものから学ぶことができる
 生活の音?―公共の生活への配慮
 隅にある優しさ――秘密の贈り物
 この世の知恵――イエスもこの日々の中に
 愛されている人間?―すべてが担保をつけて与えられている
 或る復讐物語――苛める人からも学ぶ
 苦い薬?―神の正義の証
 献金をする人の顔――施しの四つの型
 学塾と学生――あらゆる人から学びことができる

[現世のひだに神の声を聞き続ける]
人は神の視線の中で生きる 
 我が身に照らして―社会が育ててくれる現実  
 香油の値段―心の証は金額で表す  
 夕暮れまで―誰もが望む憐れみの姿  
 客を招かない家には天使も来ない―人間の重い義務 軽い義務  
 結婚するひまがない―運命のなかに神の声を聞く  
 神にしか見えない心の部分―この世では誤解されたままに  
 七年目の安息年―評価は神の仕事


 「『イエスの思想と信仰』は、当時のイエスの生活とあまり関係ない」という人もいる。 しかし私は中年から時代の流れもあって、アラブ社会に度々接することになった。つ まり、セム文化に触れたのである。すると、イエスの生きていた時代、その日常生活 を改めて頭の中で整理したい思いに駆られた。
 聖母子像がそうだが、私たちが普通キリスト教に触れる時、その解釈は西欧的な衣 をまとっている。しかし現実の生身のイエスが生きた世界はそうでない。 イエスが現世で受けた苦悩は「出生の差別」にはじまり、十字架の死で終わった。 常人の味わう不幸ではない。その実情の上に、初めてイエス像、聖母子のイメージも 成り立つ。
 私はただこの世で生をうけた一人の人間の生の苦しさを明確にしたかったのだろう。 なぜかその部分を、人々はあまり書いていないような気がしたからである。
(まえがきより)

 キリスト教徒の著者が、生身のイエスに迫ります。実は、イエスは私生児として生まれ、ユダヤ教徒として、普通の庶民の教育を受けながら、その知性、感性が鍛えられ、いかにして、愛の人になっていったのか? そこには、ユダヤ独特の社会、教育、戒律があったのではないか!
 ユダヤ人は、世界の政治、経済、学問、芸術、文化あらゆる面で頭角を現し、頂点に君臨している人が多いです。ノーベル賞受賞者もすべての分野で圧倒的な多さを誇っています。大きな謎です。ユダヤ人とは何者なのでしょうか? 私たちの生活に照らしながら、ユダヤ人の独特な生き方に発見すること、学ぶことが多いです。
 キリスト教、ユダヤ教、アラブ世界を知ることは、世界を理解するには必須事項です。


曽野 綾子(その あやこ)

1931年、東京生まれ。54年、聖心女子大学英文科卒業。79年、ローマ法 王庁よりヴァチカン有功十字勲章受章。93年、日本藝術院賞・恩賜賞受 賞。97年、海外邦人宣教者活動援助後援会代表として吉川英治文化賞な らびに読売国際協力賞を受賞。98年、財界賞特別賞を受賞。1995年12月 から2005年6月まで日本財団会長を務める。1972年より2012年まで海外 邦人宣教者活動援助後援会代表。日本藝術院会員、日本文藝家協会理事。 『無名碑』『神の汚れた手』『湖水誕生』『神さま、それをお望みですか』『天 上の青』『夢に殉ず』『陸影を見ず』『哀歌』『晩年の美学を求めて』『貧 困の光景』『アバノの再会』『言い残された言葉』『私日記』(シリーズ)『老 いの才覚』『私を変えた聖書の言葉』『時の止まった赤ん坊』『老いを生きる覚悟』ほか著書多数。





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