「賜りまして」効果的なビジネス例文&言い換え。メール作成例と敬語の説明

「賜りまして」は、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な表現です。相手から何かを「いただく」という意味を持ち、感謝や謙遜の気持ちを込めて使います。主に、相手からの行為や物事に対して感謝を示す際に用いられます。

この言葉は、相手の行為や贈り物などを尊重し、それを受け取る自分を低める謙譲の意味合いが強く含まれています。ビジネスの場面では、相手への敬意を表すことができ、良好な関係を築くのに役立ちます。
Q
ビジネスにおいて「賜りまして」の意味は?
A

ビジネスで「賜りまして」は、相手から何かを受け取ったり、行為をしてもらったりした際に使う丁寧な表現です。感謝の気持ちを伝えつつ、自分を低める謙譲の意味も含まれています。

「賜りまして」ビジネスにおける意味

ビジネスにおいて「賜りまして」は、相手から何かを頂戴したり、行為をしてもらったりした際に用いる丁寧な表現です。この言葉を使うことで、相手への感謝の気持ちと敬意を同時に表すことができます。

「賜る」という言葉自体が尊敬語であり、それに「まして」を付けることで、より丁寧さが増します。ビジネスの場面では、特に目上の人や取引先、顧客に対して使用することが多いです。
ビジネスアドバイザー

「賜りまして」は相手との関係性を大切にする言葉です。適切に使うことで、ビジネスの円滑化に繋がります。

使うときのポイントを以下に詳しく解説します。
  • 相手からの行為や物事に対して感謝を示す場面で使用します。例えば、助言や協力を得た時、商品を購入してもらった時などが適しています。
  • 目上の人や取引先、顧客など、敬意を払うべき相手に対して使います。同僚や部下に対しては使用頻度を控えめにしましょう。
  • 文章の中で使う際は、「〜賜りまして、誠にありがとうございます」のように、感謝の言葉と組み合わせて使うのが一般的です。

ビジネスの例文

この度は貴重なお時間を賜りまして、誠にありがとうございます。
ご丁寧なご説明を賜りまして、心より感謝申し上げます。
今回のプロジェクトにご協力賜りまして、厚く御礼申し上げます。
貴社より多大なるご支援を賜りまして、誠にありがとうございました。
ご来場賜りまして、心より御礼申し上げます。
お忙しい中、ご回答賜りまして、誠にありがとうございます。
この度は、ご注文賜りまして、誠にありがとうございます。
貴重なご意見を賜りまして、心より感謝申し上げます。
ご紹介賜りまして、誠にありがとうございました。
ご出席賜りまして、心より御礼申し上げます。
お取引賜りまして、誠にありがとうございます。
ご指導賜りまして、心より感謝申し上げます。
「賜りまして」を使う際のポイントをまとめると、まず相手への敬意と感謝の気持ちを込めて使用することが大切です。また、使用する場面や相手との関係性に応じて適切に選択することが重要です。

過度に使用すると逆効果になる可能性もあるので、状況に応じて適切に使い分けることが求められます。特に、同僚や部下に対しては使用を控え、目上の人や取引先、顧客に対して使うのが一般的です。

言い換えと類語

「いただきまして」
「賜りまして」よりもやや柔らかい印象を与える言い方です。
「頂戴しまして」
「賜りまして」と同じく謙譲語ですが、より文語的な印象があります。
「承りまして」
主に相手の言葉や意見を受け取った際に使用される表現です。
「拝受しまして」
主に物を受け取った際に使用される、より格式高い表現です。
「お受けしまして」
「賜りまして」よりもやや軽い印象を与える言い方になります。
「拝見させていただきまして」
主に文書や資料を見せていただいた際に使用される表現です。
「お聞かせいただきまして」
相手の話や意見を聞いた際に使用される表現になります。
「ご教示いただきまして」
相手から教えや助言を受けた際に使用される表現です。
言い換えを使用する際のポイントは、状況や文脈に応じて適切な表現を選ぶことです。相手との関係性や、何に対して感謝を示すのかによって、最適な言い換えが異なります。

また、文書の種類や目的に応じて、より格式高い表現や柔らかい表現を使い分けることも重要です。同じ文書内で表現を変えることで、単調さを避け、丁寧さを保ちつつも読みやすい文章を作ることができます。

「賜りまして」をビジネスで使う効果的な場面

「賜りまして」は、ビジネスシーンにおいて相手への敬意と感謝を表す際に非常に効果的な表現です。この言葉を適切に使用することで、相手との良好な関係構築や維持に役立ちます。

特に、以下のような場面で使用すると効果的です。
  • 取引先や顧客からの注文や発注を受けた際:「ご注文賜りまして、誠にありがとうございます。」と使用することで、相手の行為に対する感謝の気持ちを丁寧に伝えられます。
  • 上司や先輩からアドバイスや指導を受けた後:「貴重なご指導を賜りまして、心より感謝申し上げます。」のように使うことで、相手の行為に対する敬意と感謝を表現できます。
  • 商談や会議で相手が時間を割いてくれた際:「お忙しい中、お時間を賜りまして、誠にありがとうございました。」と使用することで、相手の配慮に対する感謝を伝えられます。
  • プレゼンテーションや説明会の後:「本日は、ご清聴賜りまして、誠にありがとうございました。」のように使うことで、聴衆への感謝を丁寧に表現できます。
  • 取引先や顧客からの支援や協力を得た場合:「多大なるご支援を賜りまして、心より御礼申し上げます。」と使用することで、相手の行為に対する深い感謝の気持ちを伝えられます。
  • イベントや式典に来賓として参加してもらった際:「ご臨席賜りまして、誠にありがとうございます。」のように使うことで、相手の出席に対する敬意と感謝を表すことができます。

ビジネスメール例

ビジネスメールを作成する際のコツは、相手への敬意を表しつつ、簡潔で分かりやすい文章を心がけることです。「賜りまして」を使用する場合は、文脈に合わせて適切に配置し、過度に使用しないよう注意しましょう。

以下に、「賜りまして」を使用したビジネスメールの例を示します。
ビジネスアドバイザー

メールの冒頭で「賜りまして」を使用することで、相手への感謝の気持ちを強調できます。

掲題:先日の商談会のお礼 青空商事株式会社
山田様

お世話になっております。

先日は、弊社新製品の商談会にご参加賜りまして、誠にありがとうございました。

ご多忙の中、貴重なお時間を割いていただき、心より感謝申し上げます。

山田様から頂戴したご意見やご質問は、今後の製品改良に大変参考になります。

特に、使用性に関するご指摘は、早速開発チームと共有し、検討を始めております。

今後とも、より良い製品をお届けできるよう努めてまいります。

ご不明点やご要望がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
このメール例を作る際のポイントは、「賜りまして」を使用して相手への感謝を示しつつ、全体的に丁寧で礼儀正しい文面を保つことです。

また、具体的な内容(ご意見の活用や今後の対応)を含めることで、単なる形式的な挨拶ではなく、相手の行動に対する真摯な感謝の気持ちを伝えています。さらに、今後のコミュニケーションを促す文言を入れることで、継続的な関係構築を図っています。

「賜りまして」顧客に使う敬語

「賜りまして」は、顧客に対して使う際に非常に効果的な敬語表現です。この言葉の文法構造を分解し、適切に使用することが重要です。以下に「賜りまして」の敬語表現の文法説明をします。
  • 「賜る」:謙譲語。相手から物や行為を「いただく」という意味の尊敬語「下さる」の謙譲語形です。
  • 「まして」:動詞の連用形に接続する助詞で、丁寧さを強調します。
つまり、「賜りまして」は謙譲語と丁寧語が組み合わさった表現で、相手の行為を高めつつ、自分を低める効果があります。

顧客に使う際に注意すべき点として、過度な使用を避けることが挙げられます。頻繁に使用すると、かえって不自然さや違和感を与える可能性があります。また、相手との関係性や状況に応じて適切に使い分けることも重要です。
ビジネスアドバイザー

「賜りまして」は強い謙譲の意味を持つため、使用頻度や場面を適切に選ぶことが大切です。

「賜りまして」間違った使用法

「賜りまして」は丁寧な表現ですが、使い方を間違えると不自然な印象を与えかねません。以下に間違った使用例とその解説を示します。
  • 「お客様に商品を賜りまして」
    解説:「賜る」は相手から受け取る意味なので、お客様に対して使用するのは不適切です。正しくは「お客様に商品をお渡しして」などとします。
  • 「社内の同僚に指示を賜りまして」
    解説:「賜りまして」は目上の人や顧客に対して使う表現です。同僚に使うのは大げさすぎます。「同僚に指示して」で十分です。
  • 「申し訳ございませんが、ご返事を賜りまして」
    解説:「賜りまして」は感謝の意を表す際に使用します。謝罪の文脈で使うのは不適切です。「申し訳ございませんが、ご返事をいただけますでしょうか」が適切です。
  • 「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。早急に対応を賜ります」
    解説:「賜る」は相手からもらう意味なので、自分の行動に使用するのは誤りです。「早急に対応いたします」が正しい使い方です。
  • 「毎度のご愛顧、誠にありがとうございます。今後ともよろしく賜りまして」
    解説:「賜りまして」は過去の事柄に対して使用します。未来のことに使うのは不適切です。「今後ともよろしくお願い申し上げます」が正しい表現です。
  • 「本日は賜りまして、ありがとうございます」
    解説:「賜りまして」の前に何を賜ったのかを明確にする必要があります。「本日はお越しいただきまして」や「本日はお時間を賜りまして」などが適切です。

まとめ

「賜りまして」は、ビジネスシーンにおいて相手への深い敬意と感謝を表現する上で非常に有効な言葉です。この言葉を適切に使用することで、プロフェッショナルな印象を与え、良好な関係構築に貢献できます。

しかし、その効果を最大限に引き出すには、使用する場面や相手との関係性を十分に考慮することが重要です。過度な使用や不適切な文脈での使用は、かえって不自然さを生み出す可能性があります。

また、「賜りまして」は単なる形式的な言葉遣いではなく、相手の行為や存在を尊重し、自らを謙虚に表現するという日本の文化的背景を反映しています。この点を理解し、心を込めて使用することが、真の意味でのコミュニケーション力向上につながります。

ビジネスの場面では、言葉遣いの一つ一つが重要です。「賜りまして」を適切に使いこなすことは、単に丁寧さを表すだけでなく、相手への配慮と自身の教養を示すことにもなります。この言葉の本質を理解し、状況に応じて適切に活用することで、より円滑なビジネス関係を築くことができるでしょう。