「賜りありがとうございます」失礼のない敬語の使用法。ビジネス例文&メール例まとめ

ビジネスの場面で用いる最上級の謝意表現として、「賜りありがとうございます」は、相手からの厚意や支援に対して深い感謝の意を示す言葉です。「賜る」という謙譲語を用いることで、より丁寧な印象を与えます。

この表現は単なる「ありがとうございます」以上の重みがあり、特に上司や取引先などへの深い感謝を伝える際に使用されます。相手の行為を高く評価し、自分が恩恵を受けたことを謙虚に表現する意味が込められています。
Q
ビジネスにおいて「賜りありがとうございます」の意味は?
A

相手からの恩恵や支援を謙虚に受け止め、最大限の感謝の気持ちを表す表現です。

「賜りありがとうございます」上司への正しい敬語の使用法

「賜りありがとうございます」は3つの敬語要素で構成されています。「賜る」は謙譲語、「ありがとう」は感謝の意を表す定型句、「ございます」は丁寧語です。

言葉の要素 敬語の種類 意味
賜る 謙譲語 いただく
ありがとう 感謝表現 感謝の意
ございます 丁寧語 です
ビジネスアドバイザー

上司への使用時は、軽々しい口調を避け、真摯な態度で感謝の意を示すことが重要です。

上司に使用する際は、以下の点に注意が必要です。
  • 声のトーンを落として、丁寧に発声する
  • 軽い気持ちでは使用しない
  • 適切な場面で使用する

「賜りありがとうございます」の敬語を用いた言い換え

「ご高配を賜り、誠にありがとうございます」
より丁寧な表現になります
「ご支援を賜り、深く感謝申し上げます」
より格式高い場面で使用できます
「ご配慮を賜り、心より御礼申し上げます」
特に重要な場面での使用に適しています
「多大なるご支援を賜り、厚く御礼申し上げます」
より感謝の念を強調した表現です
「ご尽力を賜り、誠にありがとうございます」
相手の努力に対する感謝を表します
「ご助力を賜り、感謝申し上げます」
援助への謝意を表現します
「ご厚情を賜り、心から感謝いたします」
親身な対応への感謝を示します
「ご指導を賜り、深く感謝いたします」
教えを受けたことへの謝意を表します
「ご高察を賜り、誠にありがとうございます」
理解を示してもらったことへの感謝を表します
ビジネスアドバイザー

言い換えの際は、相手の立場や状況に応じて適切な表現を選択することが重要です。

言い換えのポイントは、目的や場面に応じて適切な表現を選ぶことです。特に重要な場面では、より丁寧な表現を用いることで、感謝の気持ちをより強く伝えることができます。

また、単に言葉を置き換えるだけでなく、相手の行為や支援の内容に応じて、適切な表現を選択することが大切です。

ビジネス例文一覧

ビジネスシーンでの使用例を紹介します。状況や相手との関係性に応じて、適切な表現を選択することが重要です。特に、目上の方や取引先に対しては、より丁寧な言い回しを心がけましょう。

また、感謝の意を伝える際は、具体的な内容も併せて述べることで、より誠意が伝わります。
このたびは貴重なお時間を賜りありがとうございます。私どもの提案にお耳を傾けていただき、大変光栄に存じます。
日頃より温かいご支援を賜りありがとうございます。お陰様で事業が順調に進展しております。
弊社の新企画に対し、建設的なご意見を賜りありがとうございます
突然のご相談にもかかわらず、専門的な見地からアドバイスを賜りありがとうございます
本プロジェクトの成功に向け、終始ご助言を賜りありがとうございます。心より感謝申し上げます。
お忙しい中、詳細なご説明を賜りありがとうございます。大変参考になりました。
度重なる失敗にも関わらず、根気強くご指導を賜りありがとうございます
昨日の会議では、皆様より数々の有益なご指摘を賜りありがとうございます
これらの例文は、様々なビジネスシーンで活用できます。状況に応じて、前後の文脈を調整することで、より自然な表現になります。

「賜りありがとうございます」ビジネスでの意味合い

ビジネスにおいて「賜りありがとうございます」は、単なる感謝以上の意味を持ちます。相手の行為を最大限に尊重し、自分が恩恵を受けたことを謙虚に表現する言葉です。

特に、重要な案件や正式な場面で使用されることが多く、相手への敬意と感謝の気持ちを形式的にも内容的にも最大限に表現する効果があります。
ビジネスアドバイザー

ビジネスでの使用時は、場面や相手に応じて適切な表現レベルを選択することが重要です。

使用時のポイントは以下の通りです。
  • 正式な文書やメールでは、前後の文脈に配慮して使用する
  • 重要な案件や特別な配慮を受けた際に使用する
  • 相手の立場や状況に応じて、適切な表現レベルを選択する

ビジネスメール例

掲題:先日の会議でのご提案について

山田産業株式会社
営業部長 田中様

先日の合同会議にて、弊社の新規プロジェクトについて貴重なご意見を賜りありがとうございます

ご提案いただいた内容について、社内で詳細な検討を重ねました結果、より効果的な実施計画を立案することができました。

特に、市場分析に関する具体的なアドバイスは、今後の展開において大変参考になります。

つきましては、修正した計画書を添付させていただきましたので、ご確認いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。
メール作成のポイントは、以下の点に注意が必要です。

1. 具体的な感謝の内容を明確に示す

2. 相手の行為がもたらした効果や影響を説明する

3. 今後の展開や対応について明確に示す

「賜りありがとうございます」を使うビジネスシチュエーション

この表現は、特に重要な場面や正式な状況で使用されます。相手への深い感謝と敬意を表現する必要がある際に適しています。
ビジネスアドバイザー

使用シーンを適切に判断し、過剰な使用は避けることが重要です。

  • 重要な商談や契約締結時の挨拶
  • 上司からの特別な配慮や支援を受けた時
  • 取引先からの重要な助言や協力を得た時
  • プロジェクト成功時の関係者への謝辞
  • 研修や指導を受けた後の感謝の表明
  • 公式な文書やスピーチでの謝辞

「賜りありがとうございます」間違った使用法

この表現は、適切な使用が求められる重要な敬語表現です。以下のような誤用は避けるべきです。
ビジネスアドバイザー

誤用は相手に不快感を与える可能性があるため、正しい使用法の習得が必須です。

  • 文法的な誤り
    例:「賜って、ありがとうございます」
    解説:「賜り」と「ありがとうございます」は一つの表現として使用します
  • 謙譲語の重複
    例:「お教えを賜らせていただき、ありがとうございます」
    解説:謙譲表現が重複して不自然になっています
  • カジュアルな場面での使用
    例:「メモを賜りありがとうございます」
    解説:簡単なやり取りでの使用は大げさすぎます
  • 丁寧語との不自然な組み合わせ
    例:「ご連絡を賜りまして、ありがとうございます」
    解説:「まして」は不要で、表現が冗長になります
  • 感謝の対象が不明確
    例:「色々と賜りありがとうございます」
    解説:具体的な感謝の内容を示さない使用は不適切です

まとめ

「賜りありがとうございます」は、ビジネスシーンにおいて最も丁寧な感謝の表現の一つとして位置づけられています。この言葉を使用する際は、場面や相手との関係性を十分に考慮することが重要です。

形式的な使用ではなく、真摯な感謝の気持ちを込めて使うことで、相手への敬意と謝意を適切に表現することができます。特に、重要な場面や正式な文書での使用に適しており、ビジネスマナーの観点からも重要な表現として認識されています。

また、この表現は単なる感謝以上の意味を持ち、相手からの恩恵を謙虚に受け止める姿勢を示すことができます。適切な使用は、円滑なビジネスコミュニケーションの基盤となり、信頼関係の構築にも寄与します。

ただし、使用頻度や場面については慎重に判断し、過剰な使用は避けるべきです。状況に応じて他の適切な表現も併せて使用することで、より効果的なコミュニケーションを図ることができます。