「上記の件」効果的なビジネス例文&言い換え。メール作成例と敬語の解説

「上記の件」について、ビジネスコミュニケーションにおける重要な表現方法を解説させていただきます。メールや文書で頻繁に使用される、この丁寧な言い回しは、ビジネスの場面で適切に使うことが大切です。

特に文書やメールのやり取りでは、前後の文脈を踏まえた上で使用することで、相手に誠実な印象を与えることができるでしょう。コミュニケーションをスムーズにする効果も期待できます。

Q
ビジネスにおいて「上記の件」の意味は?
A

前に説明や記載のあった事項を指し示す際に使用する丁寧な表現です。文書やメールで前述の内容を簡潔に参照する際によく使われます。

「上記の件」ビジネスにおける意味

ビジネスの場面において、「上記の件」は前に記載された内容や説明を指し示す際に使用する丁寧な表現方法です。特にビジネス文書やメールでは、話題の内容を繰り返し記載することを避けるために重宝される表現でしょう。

この表現を使用することで、文章の重複を避けながら、プロフェッショナルな印象を与えることができます。また、相手への配慮を示す効果もあるため、ビジネスマナーの観点からも重要な役割を果たしています。

ビジネスアドバイザー

文脈を意識して使うことで、より効果的なコミュニケーションが図れますよ!

使用場面 効果 注意点
ビジネスメール 文章の簡潔化 前述内容の明確化
報告書 重複表現の回避 指示内容の具体性
議事録 文書の整理 参照先の明確さ
  • 文書の最初に記載された内容を指し示す際は、その内容が明確であることを確認してから使用することが重要です。曖昧な内容に対して使用すると、かえって相手に混乱を与えてしまう可能性があります。
  • ビジネスメールでは、件名や本文の冒頭で説明した内容を後述で参照する際に使用します。特に長文のメールで話題を整理する際に効果的な表現方法となります。
  • 複数の話題がある場合は、どの内容を指しているのかを明確にすることが大切です。必要に応じて具体的な内容を補足することで、より正確なコミュニケーションが可能になります。

ビジネスの例文

先日ご相談いただきました上記の件について、検討結果をご報告いたします。
上記の件に関しまして、ご確認いただけますと幸いです。
上記の件の進捗状況について、ご報告させていただきます。
ご依頼いただきました上記の件の手続きが完了いたしました。
上記の件について、追加のご説明が必要でしょうか。
打ち合わせでお話しした上記の件の資料を送付いたします。
上記の件につきまして、至急ご確認をお願いできますでしょうか。
ご指摘いただいた上記の件について、修正案をご提案させていただきます。
上記の件に関する詳細資料を別途送付させていただきます。
先ほどご連絡いただきました上記の件について、承知いたしました。
会議で討議された上記の件について、結論をまとめました。
この表現を使用する際のポイントは、前後の文脈との関連性を明確にすることです。特に、複数の話題がある場合は、どの内容を指しているのかを具体的に示すことが重要になります。

また、初めて言及する内容には使用せず、必ず前述の内容を指す場合にのみ使用するようにしましょう。この表現を適切に使用することで、ビジネス文書の簡潔さと正確さを両立させることができます。

言い換えと類語

「当該案件」
より形式的な表現で、特定の案件や事項を指す際に使用される表現です。
「本件」
簡潔で使いやすい表現であり、ビジネス文書でよく見かける言い換えになるでしょう。
「前述の内容」
より具体的な言い方で、前に述べた内容を明確に指し示すことができます。
「この案件」
やや砕けた表現になりますが、内部文書などではよく使用される言い換えとなっています。
「該当事項」
公式文書でよく使用される表現で、特定の事項を指し示す際に効果的ですね。
「これらの件」
複数の事項をまとめて指す際に便利な表現として活用できます。
「当案件」
簡潔かつ正式な印象を与える表現として、ビジネス文書でよく目にします。
言い換え表現を使用する際は、文書の性質や相手との関係性を考慮して適切な表現を選択することが重要です。また、同じ文書内で複数の言い換え表現を使用する場合は、統一感を持たせることを心がけましょう。

特に公式文書では、より形式的な表現を選択し、一貫性を保つことが望ましいです。内部文書では、やや柔軟な表現を使用することも可能ですが、常に明確さを保つことを意識しましょう。

「上記の件」をビジネスで使う効果的な場面

ビジネスシーンにおいて、「上記の件」は様々な場面で活用できる便利な表現です。特に文書やメールでのコミュニケーションにおいて、内容を簡潔にまとめる際に重宝されます。

この表現を使用することで、文章の重複を避けながら、プロフェッショナルな印象を与えることができます。また、相手への配慮を示す効果もあるため、ビジネスマナーの観点からも重要な役割を果たしています。

ビジネスアドバイザー

状況に応じて使い分けることで、より効果的なコミュニケーションが実現できますよ!

  • 報告書や提案書の作成時:前述の内容を参照する際に使用することで、文書の構成が整理され、読みやすさが向上します。複数の項目がある場合でも、明確に参照先を示すことができます。
  • メールでの進捗報告:プロジェクトの進行状況を報告する際に、既に説明した内容を簡潔に参照することができます。特に長文のメールで話題を整理する際に効果的です。
  • 会議の議事録作成:討議された内容を整理する際に使用することで、文書の簡潔さを保ちながら、必要な情報を正確に記録することができます。
  • 顧客とのやり取り:商談や提案の内容を整理する際に使用することで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。特に重要な案件の確認時には効果的です。
  • 社内文書の作成:部署間のコミュニケーションにおいて、既に共有された情報を参照する際に使用することで、効率的な情報共有が可能になります。
  • 契約書関連の文書:法的な文書において、特定の条項や内容を参照する際に使用することで、正確性と形式性を保つことができます。

ビジネスメール例

ビジネスメールでは、「上記の件」を使用することで、文章を簡潔にまとめながら、プロフェッショナルな印象を与えることができます。以下に効果的な使用例を示します。

掲題:新商品A開発プロジェクトの進捗状況について

山田製造株式会社
鈴木部長様

いつもお世話になっております。

2月1日の打ち合わせにてご説明させていただきました新商品A開発プロジェクトにつきまして、ご報告させていただきます。

上記の件の現在の進捗状況は下記の通りです。

1. デザイン案の修正完了(2月3日)
2. 試作品の製作開始(2月5日)

試作品は来週金曜日(2月16日)に完成予定です。

完成次第、ご確認いただけますと幸いです。

ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

佐藤商事株式会社
営業部 田中健一
メールを作成する際のポイントは、「上記の件」を使用する前に、必ず参照する内容を明確に示しておくことです。

また、文章の流れを意識し、唐突な使用を避けることで、より自然な文章になります。特に、複数の話題がある場合は、どの内容を指しているのかを明確にすることが大切です。

「上記の件」顧客に使う敬語を解説

「上記の件」を顧客に使用する際は、適切な敬語表現を組み合わせることが重要です。基本的な言葉の構成と敬語の種類について説明していきましょう。

ビジネスアドバイザー

丁寧語と謙譲語を組み合わせることで、より洗練された印象を与えることができますよ!

表現 敬語の種類 使用場面
につきまして 謙譲語 一般的な文書
ご確認 尊敬語 依頼時
させていただく 謙譲語 報告時
  • 「上記」は通常の漢字表現ですが、「の」は接続助詞として機能し、「件」は案件や事柄を指す名詞として使用されます。これらに「につきまして」という謙譲表現を組み合わせることで、より丁寧な表現となります。
  • 「ご確認いただく」「お知らせする」などの尊敬語や謙譲語と組み合わせることで、相手への敬意を適切に表現できます。特に、「させていただく」という謙譲表現は、報告や提案時によく使用されます。
  • 文末表現には「です・ます」の丁寧語を基本としながら、状況に応じて「でございます」などのより丁寧な表現を使用することも可能です。ただし、使いすぎると不自然な印象を与える可能性があるため、注意が必要です。
顧客に使用する際は、相手の立場や状況に応じて適切な敬語レベルを選択することが重要です。過度に丁寧すぎる表現は、かえってコミュニケーションを難しくする可能性があるため、バランスの取れた表現を心がけましょう。

「上記の件」間違った使用法

ビジネスシーンにおいて、「上記の件」の不適切な使用は、誤解や不快感を招く可能性があります。以下に、よくある間違いとその理由を説明します。

ビジネスアドバイザー

文脈を確認して、適切な使用を心がけましょう!

  • 「上記の件と下記の件について、ご確認ください。」
    → 上記と下記を同時に使用すると、指示が不明確になります。どちらかに統一するか、具体的な内容を記載しましょう。
  • 「A社とB社の上記の件について」
    → 複数の会社に関する異なる内容を一括して「上記」と表現すると混乱を招きます。それぞれの内容を明確に区別して記載する必要があります。
  • 「上記の件①、上記の件②について」
    → 複数の事項を区別する際は、それぞれの内容を具体的に示す必要があります。
  • 「御社の上記の件に関して」
    → 相手先の内容を指す場合は、「貴社における当該案件」などの表現を使用するのが適切です。
  • 「別途ご連絡いたしました上記の件について」
    → 別の連絡手段で伝えた内容を「上記」と表現するのは誤りです。「先日メールでお送りした件」など、具体的な表現を使用しましょう。

まとめ

「上記の件」は、ビジネス文書やメールにおいて欠かせない重要な表現です。適切に使用することで、文章の簡潔さと正確さを両立させることができ、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

特に重要なのは、必ず参照する内容を明確にしてから使用することです。また、相手との関係性や文書の性質に応じて、適切な敬語表現と組み合わせることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

この表現は、ビジネスの効率性を高めるツールとして活用できます。ただし、使用する際は文脈を意識し、相手に誤解を与えないよう注意を払うことが大切です。

今後のビジネスシーンでも、状況に応じて適切に使い分けることで、より円滑なコミュニケーションを実現することができるでしょう。言葉の持つ力を理解し、効果的に活用していくことが、ビジネスパーソンとしての成長につながります。