ビジネスの場において、訃報の連絡は非常にデリケートな内容です。社内・社外を問わず、適切な方法とタイミングで伝えることが重要になります。特に、会社関係者や取引先への訃報連絡は、ビジネスマナーとして正しい手順を踏む必要があります。この記事では、社内と社外それぞれに向けた訃報連絡の方法について解説します。
社内向け訃報連絡の基本と心得
社内に訃報を伝える際は、情報の正確さとスピードが求められます。社内向けの訃報連絡は、5W1Hを意識した簡潔な内容で、伝達漏れがないように配慮することが重要です。
社内メールでの訃報連絡の書き方
社内メールで訃報を伝える場合、件名には「訃報」という言葉を明記し、本文では故人の情報や葬儀の詳細を箇条書きにすると分かりやすくなります。
- 件名:訃報(○○部 △△△△殿)
- 宛先:社員各位
- 本文:○○部 △△△△殿が、○○年○月○日午前○時○○分に、ご病気により享年○○歳にて永眠されました。
通夜や告別式の情報は、日時、場所、アクセス方法を明記します。また、喪主の情報や問い合わせ先も忘れずに記載しましょう。

社内リストは常に最新の状態に更新しておくことが大切です。いざという時に連絡漏れがないよう、定期的なメンテナンスを心がけましょう!
社内での訃報連絡時の注意点
社内での訃報連絡では、情報の正確性と迅速さが求められます。特に、関係部署への連絡漏れがないよう注意が必要です。
また、故人のプライバシーに配慮し、必要以上の情報は記載しないようにしましょう。特に病名などの詳細は、遺族の意向を確認した上で記載するかどうかを判断します。
訃報メールに含めるべき情報 | 記載例 |
---|---|
故人の情報 | 氏名、所属部署、役職、享年 |
逝去の日時 | ○○年○月○日午前○時○○分 |
葬儀の詳細 | 通夜・告別式の日時、場所、アクセス方法 |
喪主情報 | 氏名、故人との関係 |
問い合わせ先 | 担当部署、担当者名、連絡先 |
社外への訃報連絡:取引先への適切な伝え方
社外への訃報連絡は、社内とは異なる配慮が必要です。社外への訃報連絡は、情報公開のタイミングを慎重に判断し、適切な手段で正確に伝えることが重要です。
社外通知の種類と使い分け
社外への訃報連絡には、案内状、新聞広告、ホームページでの告知など、複数の手段があります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
案内状は、主要な取引先や関係者に対して個別に送付するもので、情報が公になる前に届くように手配します。新聞広告は、広く一般に知らせる場合に有効です。
- 案内状:主要取引先、関係団体、OBなどへの個別通知
- 新聞広告:一般向けの広範囲な告知
- ホームページ:自社サイトでの告知
- メール・FAX:緊急性の高い連絡
社外通知のタイミングと情報管理
社外への訃報連絡は、タイミングが非常に重要です。特に、故人が著名人や業界の重要人物である場合、情報の公開タイミングには細心の注意が必要です。
密葬と社葬(お別れの会)を別々に行う場合は、密葬が終わってから社葬の情報を公開するのが一般的です。また、情報が漏れないよう、関係者間での情報管理も徹底しましょう。

社外通知のリストは普段から整備しておくと、いざという時にスムーズです。取引先情報の定期的な更新は、危機管理の基本ですよ!
訃報メールの書き方:状況別の例文と注意点
訃報メールの書き方は、状況によって異なります。ここでは、社内向けと社外向けの例文と、それぞれの注意点を解説します。
社内向け訃報メールの例文
社内向けの訃報メールは、簡潔かつ必要な情報を漏れなく記載することが重要です。以下に基本的な例文を示します。
- 件名:訃報(○年○月○日)
- 宛先:社員各位
- 本文: ○○部 △△△△殿が、○○年○月○日午前○時○○分に ご病気により享年○○歳にて永眠されました。
通夜、告別式が執り行われますので、
ご冥福をお祈りし、謹んでお知らせ申し上げます。1.通夜
○月○日(○) ○時より ご自宅にて
東京都○○市○○町×-×-×
最寄り駅:○○線○○○駅 下車 徒歩8分2.告別式
○月○日(○) ○時から○時まで ○○斎場にて
東京都○○市○○町×-××-××
TEL:○○○○-○○-○○○○
最寄り駅:○○線○○○駅 下車 バス5分 徒歩1分3.喪主
○○○○様(妻)4.本件問合せ先
○○部 □□□□(TEL:○○-○○○○-○○○○(内線××××))
社外向け訃報メールの例文と配慮点
社外向けの訃報メールは、より丁寧な表現を心がけ、必要な情報を簡潔に伝えることが大切です。
- 件名:訃報 ○○○○逝去のお知らせ
- 宛先:〇〇株式会社 〇〇様
- 本文: 当社 代表取締役 ○○○○ 儀 かねてより病気療養中のところ 0000年00月00日に逝去されました。
○○○○は○○○○に尽力され、最期まで重責を背負って頂きました。
ここに生前のご厚誼を深く感謝しご冥福をお祈りするとともに
謹んでご通知申し上げます。お通夜、告別式等は下記の通りです。
日時 通夜 0000年00月00日(○) 00:00~
告別式 0000年00月00日(○) 00:00~会場:○○○○○○○○○○
住所:○○○○○○○○○○
交通:○○線○○○○駅お問い合わせ先:
株式会社〇〇〇〇
電話番号:00-0000-0000
メール:〇〇〇〇〇
社外向けの訃報メールでは、香典や供花の取り扱いについても明記すると親切です。家族葬で行う場合や香典辞退の場合は、その旨を記載しましょう。

訃報メールは文法的に「句読点を使わない」という日本の伝統的な作法もありますが、現代のビジネスメールでは読みやすさを優先して句読点を使うケースも増えています。社内のルールに従いましょう。
会社への訃報連絡:従業員からの報告方法
従業員が家族や親族の訃報を会社に連絡する場合も、適切な方法とタイミングが重要です。会社への訃報連絡は、直属の上司に迅速に連絡し、必要な情報を簡潔に伝えることが基本です。
従業員からの訃報連絡の基本ステップ
家族や親族に不幸があった場合、まず直属の上司に連絡するのが基本です。連絡手段は電話が望ましいですが、状況によってはメールでも構いません。
連絡する内容は、故人との関係、亡くなった日時、忌引き休暇の予定、葬儀の日程などです。業務の引き継ぎが必要な場合は、その点についても簡潔に伝えましょう。
連絡すべき情報 | 内容例 |
---|---|
故人との関係 | 「父が亡くなりました」「祖母が亡くなりました」など |
亡くなった日時 | 「本日午後3時に亡くなりました」など |
忌引き休暇の予定 | 「会社規定に基づき、○日から○日まで忌引き休暇を取得したいです」 |
葬儀の予定 | 「通夜は○日、告別式は○日に行います」「家族葬で行います」など |
業務の引き継ぎ | 「現在担当している○○の件は、△△さんに引き継ぎをお願いしたいです」など |
従業員からの訃報メール例文
直接電話で連絡できない場合は、メールで連絡することもあります。以下に例文を示します。
- 件名:訃報のご連絡(忌引き休暇取得のお願い)
- 宛先:○○部長
- 本文: ○○部 △△です。
突然のご連絡となり恐縮ですが、本日午後、父(母/祖父/祖母など)が
病気のため亡くなりました。つきましては、下記の通り葬儀が執り行われるため、
会社規定に基づき、○月○日から○月○日まで忌引き休暇を
取得させていただきたく、ご連絡いたします。【葬儀日程】
通夜:○月○日(○) ○時より
告別式:○月○日(○) ○時より
会場:○○○○○○現在担当している○○案件については、
□□さんに引き継ぎをお願いしたいと考えております。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、
何卒よろしくお願い申し上げます。△△ △△
連絡先:090-XXXX-XXXX(携帯)

訃報連絡は感情的になりがちですが、業務への影響を最小限にするため、冷静に必要な情報を伝えることが大切です。特に引き継ぎ事項は具体的に伝えましょう。
訃報連絡は、ビジネスの場においても避けて通れない重要なコミュニケーションです。社内・社外それぞれの状況に応じた適切な方法で、丁寧かつ正確に情報を伝えることが大切です。この記事で紹介した例文やポイントを参考に、状況に応じた適切な訃報連絡を心がけましょう。
よくある質問
回答 「訃報(○○部 △△△△殿)」のように、「訃報」という言葉を明記し、故人の所属部署と名前を記載するのが一般的です。

件名に「訃報」と明記することで、受信者は内容を即座に理解できます。重要な連絡であることが一目でわかるよう工夫しましょう。
回答 基本的には密葬が終わってから行うのが適切です。ただし、故人が会社の代表者や重要な役職者の場合は、業務への影響を考慮して早めに連絡することもあります。
回答 できるだけ早く、遅くとも葬儀の前日までには連絡するのが望ましいです。忌引き休暇の手続きや業務の引き継ぎに時間が必要なためです。

悲しい状況の中でも、業務への影響を最小限にするための連絡は重要です。会社の規定を確認し、適切な手続きを踏みましょう。
回答 原則として、遺族の意向を確認してから判断すべきです。プライバシーに関わる内容なので、「病気のため」など一般的な表現にとどめることも多いです。
回答 「香典・供花は謹んでご辞退申し上げます」と明記します。家族葬で行う場合は「家族葬にて執り行いますので、ご会葬はご遠慮ください」などと添えるとよいでしょう。