【新卒用】履歴書の書き方。志望動機と自己PRの例文集

就職活動において、履歴書は企業に自分自身をアピールする重要なツールです。特に新卒の就職活動では、学生時代の経験や自己PRをどのように伝えるかが採用の成否を左右します。しかし、「どのように書けばよいのか」「何をアピールすべきか」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、新卒向けの履歴書の基本的な書き方から、特に重要な志望動機と自己PRの効果的な書き方、例文までを詳しく解説します。採用担当者の目に留まる履歴書を作成して、就活を成功させましょう。

新卒用履歴書の基本的な書き方とポイント

履歴書は就職活動の第一関門であり、採用担当者があなたについて知る最初の手がかりとなります。基本的なルールを押さえて、好印象を与える履歴書を作成しましょう。

新卒用履歴書の基本的な書き方とポイント

履歴書の基本項目の記入方法

履歴書には記入すべき基本項目がいくつかあります。それぞれの項目について、正確かつ丁寧に記入することが大切です。

  • 日付:提出日または提出前日を記入(和暦・西暦は統一する)
  • 氏名:姓と名の間は1マス空ける
  • 住所:都道府県名から省略せずに記入
  • 連絡先:日中連絡がつく電話番号を記入
  • メールアドレス:日常的に確認するアドレスを記入
  • 学歴:中学校卒業から記入し、学校名は正式名称で
  • 職歴:アルバイトは含まず、正社員経験がなければ「なし」と記入

特に学歴の記入では、学校名を省略せずに正式名称で記入することが重要です。「高校」ではなく「高等学校」、「大学」ではなく「○○大学」と正確に記入しましょう。また、卒業見込みの場合は必ず「卒業見込み」と記入します。

日付や年号は、和暦(令和○年)か西暦(20XX年)のどちらかに統一して記入します。履歴書全体で統一感を持たせることで、丁寧な印象を与えることができます。

写真と印象を左右する要素

履歴書に貼付する写真は、あなたの第一印象を大きく左右します。適切な写真を選ぶことが重要です。

  • サイズ:指定がなければ一般的に縦4cm×横3cm
  • 撮影時期:3ヶ月以内の新しいもの
  • 服装:スーツ姿が基本(男性はネクタイ着用)
  • 表情:自然な笑顔で正面を向く
  • 背景:無地(白や薄いブルーなど)

写真は必ず裏面に氏名と学校名を記入してから貼付します。これは写真が剥がれた場合に備えるためです。また、写真は最後に貼るようにしましょう。書き損じた場合に無駄にならないためです。

履歴書の項目 記入のポイント 注意点
日付 提出日または提出前日 和暦・西暦は統一する
写真 3ヶ月以内のスーツ姿 裏面に氏名・学校名を記入
学歴 中学卒業から記入 正式名称で省略しない
職歴 正社員経験のみ記入 なければ「なし」と記入

新卒用履歴書は、基本情報の正確な記入と見やすさが重要です。誤字脱字や略語の使用を避け、修正ペンや修正テープは使わず、書き直すことで丁寧さをアピールしましょう。

ビジネスアドバイザー

履歴書は「あなた自身の名刺」です。誤字脱字や記入漏れは、仕事への取り組み姿勢を疑われる原因になります。何度も確認して完璧に仕上げましょう。

志望動機の効果的な書き方と新卒向け例文集

志望動機は、「なぜその企業で働きたいのか」を伝える重要な項目です。採用担当者はこの部分から、あなたの志望度や企業研究の深さを判断します。効果的な志望動機の書き方と例文を紹介します。

志望動機の基本構成と書き方のポイント

志望動機は、以下の要素を含めることで説得力のある内容になります。

  • 結論(志望理由を一言で)
  • なぜその業界なのか
  • なぜその企業なのか(他社ではなく)
  • 志望理由を裏付けるエピソード
  • 入社後にやりたいこと・貢献できること

志望動機を書く際の重要なポイントは、「結論から述べる」ことです。「私が貴社を志望する理由は○○だからです」と最初に結論を述べることで、読み手に伝わりやすくなります。その後に具体的な理由や裏付けとなるエピソードを展開していきましょう。

また、志望動機は企業ごとにカスタマイズすることが重要です。企業理念や事業内容、社風など、その企業特有の魅力に触れることで、「この企業だからこそ」という志望度の高さをアピールできます。

業界別・職種別の志望動機例文

業界や職種によって、志望動機の内容や強調すべきポイントは異なります。ここでは、代表的な業界・職種別の志望動機例文を紹介します。

業界・職種 志望動機のポイント 例文
IT業界 技術への関心、社会貢献 「私は先端IT技術を駆使して、社会的に価値の高いサービスを提供している貴社に強く惹かれています。先日も貴社のインターンシップに参加し、現代社会に欠かせない技術力とチームワークの重要性を学ばせていただきました。この経験を活かし、人々の生活を豊かにするサービスを提供すべく、貴社という最高の環境で尽力したいと強く望んでいます。」
コンサルティング 問題解決能力、多様な経験 「私が貴社を志望する理由は、コンサルとして多くの企業の発展に貢献していきたいと考えたからです。私は学生時代に家庭教師のアルバイトをしていました。この経験から私は、ゼロの状態からできることを増やしていく感覚が自分のモチベーションであると考えます。貴社は多様な領域において事業を展開しており、私が培った「粘り強さ」を活かし、新規事業の開発に携わりたいと考えています。」
地域創生関連 地域への思い、具体的なビジョン 「私が貴社を志望する理由は、地方再生に寄与したいと考えているからです。地方再生に興味を持ったのは、幼少期によく遊びに行った祖父母の自宅周辺の活気が、年々失われていく現実に直面したことがきっかけです。大学では地域創生学を学び、貴社は古民家を再生したホテルの企画・運営事業で実績を上げており、そこに大きな魅力と可能性を感じました。ぜひとも貴社の一員となり、日本の地方再生に尽力していきたいと考えています。」

志望動機は、単なる企業の魅力の羅列ではなく、あなた自身の経験や価値観と企業の特徴を結びつけることが重要です。「なぜその企業でなければならないのか」「入社後どのように貢献したいのか」を具体的に伝えることで、採用担当者の心に響く志望動機になります。

ビジネスアドバイザー

志望動機で最も避けるべきは「どの企業にも当てはまる汎用的な内容」です。企業研究を徹底し、その企業ならではの魅力と自分の強みを結びつけた独自性のある志望動機を作りましょう。

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自己PRの書き方と新卒向け例文集

自己PRは、あなたの強みや人柄を企業にアピールする重要な項目です。採用担当者はこの部分から、あなたが企業にどのような価値をもたらすかを判断します。効果的な自己PRの書き方と例文を紹介します。

自己PRの書き方と新卒向け例文集

自己PRの基本構成と書き方のポイント

自己PRは、以下の要素を含めることで説得力のある内容になります。

  • 結論(自分の強みを一言で)
  • 強みを発揮した具体的なエピソード
  • その結果、どのような成果を得たか
  • その強みを入社後どのように活かすか

自己PRを書く際の重要なポイントは、自己PRも志望動機と同様に「結論から述べる」ことです。「私の強みは○○です」と最初に結論を述べることで、読み手に伝わりやすくなります。その後に具体的なエピソードや成果を展開していきましょう。

また、自己PRでは具体的なエピソードが重要です。抽象的な表現だけでは説得力に欠けるため、学生時代の経験(部活動、サークル、アルバイト、学業など)から具体的なエピソードを選び、そこでどのように強みを発揮したかを詳しく述べましょう。

強み別の自己PR例文

自己PRは、アピールしたい強みによって内容が変わります。ここでは、代表的な強み別の自己PR例文を紹介します。

アピールする強み 自己PRのポイント 例文
リーダーシップ チームをまとめた経験、成果 「私の強みはリーダーシップです。大学のグループプロジェクトでは自己主張がはっきりしているメンバーが多く、対立することもありました。そこで私はメンバー全員の意見を箇条書きにしてボードに書き、可能な限り全員の考えを尊重するよう努め、最適な解決策を提案しました。チームが一致団結してプロジェクトを進められる環境を整えました。プロジェクトはスムーズに進行し、卒論発表会も大成功に終わりました。この経験を活かし、貴社においても、チームメンバーと協力してプロジェクトを推進し、貴社の目標達成に貢献したいと考えています。」
継続力・粘り強さ 困難を乗り越えた経験、成果 「私の強みは粘り強く最後まで取り組むことです。入学して初めての野球の試合は補欠からのスタートでしたが、悔しさをバネに朝300回・夜700回の素振りを毎日続けたことで打撃に自信を持つことができ、レギュラーになることができました。また、粘り強く続けたことでチームメイトや監督からの信頼も強くなり、最後の公式戦では4番打者を任されました。この経験を活かして貴社でも粘り強く物事に取り組み、会社に貢献します。」
論理的思考力 問題解決能力、分析力 「私の強みは、物事を客観的に見て、筋道を立てることができる能力です。この強みは、大学のゼミでの論文大会で発揮することができました。一年前の大会での3位という結果を受け、周囲からの評価や発表時の動画視聴など、様々な角度から原因を追求しました。内容ではなく伝え方に課題があると仮説を立て、一年をかけ検証・改善を続けたところ、翌年には優勝という成績を残すことができました。貴社に入社後も常に冷静に物事を見ることで、トラブルが発生した時にも適切な対応をすることができると考えています。」

自己PRでは、単に「〇〇ができます」と言うだけでなく、具体的なエピソードを通じてその強みを証明することが重要です。また、可能であれば数字を用いて成果を示すと、より説得力が増します。例えば「売上が前年比120%に向上した」「メンバー10人をまとめた」など、具体的な数値があると印象に残ります。

履歴書の仕上げと提出方法のポイント

履歴書の内容を充実させた後は、仕上げと提出方法にも注意が必要です。ここでは、履歴書を完成させる際のチェックポイントと、提出方法別の注意点を解説します。

履歴書のチェックポイントと最終確認

履歴書を提出する前に、以下のポイントを確認しましょう。

  • 誤字脱字がないか
  • 日付や年号(和暦・西暦)が統一されているか
  • 学校名や企業名が正式名称で記載されているか
  • 空欄がないか(該当事項がない場合は「なし」と記入)
  • 文字の大きさや丁寧さ、読みやすさに問題はないか
  • 修正ペンや修正テープを使用していないか

特に誤字脱字は、注意深く確認する必要があります。自分で読み返すだけでなく、可能であれば第三者に確認してもらうことをおすすめします。また、履歴書の記入に使用するペンは、黒のボールペンが一般的です。消えるボールペンは使用しないようにしましょう。

提出方法別の注意点

履歴書の提出方法は、郵送、メール、持参の3つが一般的です。それぞれの提出方法に応じた注意点を押さえておきましょう。

提出方法 注意点 具体的な手順
郵送 封筒の選び方、送付状の添付 ・封筒の表面に「履歴書在中」と記載
・送付状を同封
・のりや両面テープで封をする
・切手は左上に貼る
メール ファイル形式、メール本文 ・履歴書のファイル形式はPDFにする
・件名と本文は簡潔にする
・本文の最後には署名を入れる
持参 封筒の扱い、持参日の記載 ・採用担当者に渡す際は封筒から出す
・受付に渡す際は封筒のまま渡す
・封筒に持参日を記載する

郵送の場合は、履歴書が折れないように厚紙を入れるなどの工夫をしましょう。また、送付状を添えることで、丁寧な印象を与えることができます。

メールで提出する場合は、ファイル名に自分の名前と「履歴書」という文言を入れると、企業側が管理しやすくなります。例えば「履歴書_山田太郎.pdf」のようにします。

持参する場合は、清潔な封筒に入れ、しわや折れがないように注意しましょう。また、持参する日時を事前に確認し、時間に余裕を持って訪問することが大切です。

履歴書は内容だけでなく、提出方法や細部の配慮も採用担当者の目に留まります。誤字脱字のチェックはもちろん、提出方法に応じた適切な対応を心がけることで、あなたの誠実さと細やかな配慮をアピールできます。

新卒用の履歴書作成は、就職活動の第一歩です。基本的な書き方を押さえつつ、志望動機と自己PRを充実させることで、採用担当者の心に響く履歴書を作成することができます。特に志望動機では企業研究を徹底し、自己PRでは具体的なエピソードを交えることが重要です。

また、履歴書は「あなた自身の名刺」です。誤字脱字や記入漏れがないよう、何度も確認して完璧に仕上げましょう。丁寧に作成された履歴書は、あなたの仕事への姿勢を示す重要な証拠となります。

この記事で紹介した書き方や例文を参考に、あなたらしさが伝わる魅力的な履歴書を作成し、就職活動を成功させてください。

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よくある質問

質問1:履歴書の志望動機と自己PRの文字数はどれくらいが適切ですか?
回答 一般的に志望動機は300〜400字程度、自己PRは400〜500字程度が読みやすく適切な量とされています。欄内に収まる範囲で、具体的なエピソードを含めながらも簡潔に伝えることを心がけましょう。
ビジネスアドバイザー

文字数よりも「内容の濃さ」が重要です。長すぎて読みづらい文章より、簡潔で具体的なエピソードを含む文章の方が印象に残ります。

質問2:アルバイト経験しかない場合、自己PRはどのように書けばよいですか?
回答 アルバイト経験からも十分アピールできます。例えば接客業であれば「お客様の要望を素早く察知する観察力」、飲食店であれば「効率的に業務をこなす段取り力」など、そのアルバイトで培った具体的なスキルとエピソードを記載しましょう。
質問3:志望動機を書く際、他社と差別化するポイントは何ですか?
回答 企業の特徴や強みを具体的に挙げ、それがなぜ自分の価値観や目標と合致するのかを明確に述べることが差別化のポイントです。企業の公式サイトだけでなく、IR情報や社員インタビュー、実際のサービスを利用するなど、深い企業研究に基づいた独自の視点を盛り込みましょう。
ビジネスアドバイザー

採用担当者は「この会社でなければならない理由」を知りたがっています。「大手だから」「安定しているから」といった一般的な理由ではなく、その企業ならではの魅力と自分の価値観を結びつけましょう。

質問4:履歴書で特にアピールできる経験がない場合はどうすればよいですか?
回答 誰にでも強みはあります。学業での取り組み、日常生活での工夫、趣味への取り組み方など、小さな経験からでも「継続力」「計画性」「協調性」などの強みを見出すことができます。自分の行動パターンを振り返り、どのような場面で成果を出せたかを考えてみましょう。
質問5:履歴書の志望動機と面接での志望動機は同じ内容でよいですか?
回答 基本的な骨子は同じでよいですが、面接ではより詳細に話せるよう準備しておくことをお勧めします。履歴書の内容をベースに、面接では具体的なエピソードや数字を加えたり、企業研究で得た情報をより深く言及したりすると、一貫性がありながらも充実した回答になります。
ビジネスアドバイザー

履歴書と面接で全く異なる志望動機を述べると、一貫性のなさを疑われます。核となる部分は同じにしつつ、面接ではより深掘りした内容を準備しておきましょう。