「言わしめた」の意味と使い方、ビジネス例文&言い換え。目上への敬語文法

「言わしめた」は、相手の発言や行動に対して感心したり、感動したりした際に使われる表現です。相手の言葉や行いが印象的で、その人の能力や人柄を高く評価する気持ちを込めて使われます。

「言わしめた」ビジネスでの意味と使い方

ビジネスシーンにおいて、「言わしめた」は、同僚や部下、取引先の人物が発言した内容や行動に対して、感銘を受けたり、感服したりした際に使われることがあります。

相手の言葉や行いが、その人の優れた能力や人間性を表していると感じた時に、「言わしめた」と述べることで、相手を称賛し、敬意を表すことができるのです。ただし、使用する際には、以下のようなポイントに注意が必要です。

  • 目上の人に対しては、失礼にならないよう、慎重に使う
  • 相手の発言や行動が、本当に印象的で称賛に値するものかを見極める
  • 状況に合わせて、適切なタイミングで使用する

ビジネス例文

「言わしめた」をビジネスシーンで使用する際は、相手の言動が本当に感銘を与えるものであるかを見極め、適切なタイミングで使うことが大切です。以下に、ビジネスでの例文を8つ挙げます。

田中さんの提案は、まさに革新的だと言わしめた。この斬新なアイデアは、事業の新たな可能性を切り開くものです。
鈴木君の発表は、彼の高い能力と将来性を示すものだと言わしめた
山田部長の決断力は、リーダーとしての資質の高さを物語っていると言わしめた
佐藤さんの顧客対応は、コミュニケーション能力の高さが天性のものだと言わしめた
高橋君の熱意ある仕事ぶりは、部署にとって欠かせない存在であることを証明していると言わしめた
伊藤さんの問題解決能力は、まさに天才的だと言わしめた
渡辺さんの素晴らしいチームマネジメントは、リーダーの理想形を体現していると言わしめた
山本さんの提言は、彼の洞察力の深さを物語っていると言わしめた

これらの例文からわかるように、「言わしめた」は相手の言動に感銘を受けた際に使われる表現です。相手の能力や人柄を高く評価し、敬意を表する気持ちが込められています。

ただし、使用する際は状況を見極め、適切なタイミングで用いることが肝要です。

言い換え

「言わしめた」を言い換える際は、相手の言動に感銘を受けたことを、別の表現で伝えることがポイントです。以下に、言い換え例を10個挙げます。

「感服しました」
相手の言動に深く感銘し、そのすばらしさに心服した気持ちを表します。
「脱帽です」
相手の言動があまりにも素晴らしく、帽子を取って敬意を表したくなるような気持ちを表現しています。
「感銘を受けました」
相手の言葉や行動に深い感動を覚え、強い印象を受けたことを伝えます。
「尊敬の念を抱きました」
相手の言動に接し、その人の人格や能力に対して尊敬の気持ちを抱いたことを表しています。
「素晴らしいの一言に尽きます」
相手の言動があまりにも優れていて、「素晴らしい」という言葉以外に表現しようがないことを示します。
「感動しました」
相手の言葉や行いに深く心を動かされ、強い感動を覚えたことを伝えます。
「賞賛に値します」
相手の言動が高く評価されるべきものであり、称賛するに相応しいことを表現しています。
「目を見張るものがあります」
相手の言動があまりにも優れていて、驚きと感嘆の念を抱かずにはいられないことを示します。
「感嘆の念を禁じ得ません」
相手の言葉や行いに接し、深い感動と賞賛の気持ちを抑えることができないことを表しています。
「称賛に値する」
相手の言動が高く評価されるべきものであり、賞賛するにふさわしいことを伝えます。

「言わしめた」を言い換える際は、相手の言動に感銘を受けたことを、より具体的に表現することが大切です。「感服」「感銘」「感動」など、感情を直接的に表す言葉を使うことで、相手への敬意や賞賛の気持ちを明確に伝えることができます。

また、「目を見張る」「感嘆の念を禁じ得ない」といった比喩表現を用いることで、感動の大きさを効果的に表現できるでしょう。状況に応じて適切な言い換えを選び、相手への称賛の気持ちを丁寧に伝えることが肝要です。

「言わしめた」上司に使う敬語

「言わしめた」は、以下のような敬語表現で構成されています。

  • 「言わしめる」:「言う」という動詞の使役形に、「しめる」という補助動詞を付けた尊敬語表現
  • 「た」:「言わしめる」に過去の助動詞「た」を付けることで、相手の発言や行動に対する感銘を表す

上司に「言わしめた」を使う際は、以下の点に注意が必要です。上司の発言や行動が本当に感銘を与えるものであるかを見極め、適切なタイミングで使うことが大切です。

また、「言わしめた」は比較的強い表現なので、頻繁に使うよりも、特別に感動した際に用いるのが望ましいでしょう。さらに、状況に応じて「おっしゃらしめた」など、より丁重な表現を使い分けることも大切です。

ビジネスメール例

掲題:先日の会議についてのお礼
株式会社ゼニス
佐藤様

お世話になっております。アルファ商事の鈴木です。

先日の会議での佐藤様のご提案は、まさに革新的だと言わしめたものでした。

課題解決に向けた斬新な視点とアイデアは、我々の事業に新たな可能性を見出すものだと確信しております。

今後の事業展開においても、佐藤様の卓越した洞察力が欠かせないと考えております。

引き続き、佐藤様のお知恵を賜れますと幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

アルファ商事
鈴木太郎

「言わしめた」間違った使用法

1. 「あなたの意見は革新的だと言わしめた」:
→ 「あなた」は、目上の人に対して使うべきではありません。「山田様のご意見は革新的だと言わしめた」のように、敬称を使って丁寧に表現しましょう。

2. 「私の提案は画期的だと言わしめた」:
→ 自分の発言を「と言わしめた」と評価するのは不適切です。「私の提案は画期的だと自負しております」など、別の表現を使いましょう。

3. 「田中さんの発言は的確だと言わしめたでしょう」:
→ 「と言わしめた」は過去形なので、「でしょう」とは組み合わせられません。「田中さんの発言は的確だと言わしめた」のように、過去形のままにしましょう。

4. 「鈴木君の報告は素晴らしいと言わしめたね」:
→ ビジネスシーンで「君」や「ね」を使うのは適切ではありません。「鈴木さんの報告は素晴らしいと言わしめた」のように、敬称を使い、丁寧な表現を心がけましょう。

これらの例文では、「と言わしめた」を使う際の注意点を示しています。目上の人に対しては敬称を使い、自分の発言を自画自賛するような使い方は避けるべきです。

また、「と言わしめた」は過去形なので、未来や推量を表す表現とは組み合わせられません。ビジネスシーンでは、カジュアルな表現や語尾は控え、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。

「と言わしめた」は強調表現なので、使い方を誤ると不適切な印象を与えかねません。状況に応じて適切に使い分け、相手に失礼のないよう配慮することが重要ですね。

「言わしめた」を使用するビジネスシーン

「言わしめた」は、ビジネスシーンにおいて、同僚や上司、取引先の方の発言や行動に感銘を受けた際に使用する表現です。相手の言葉や行いが、その人の優れた能力や人間性を表していると感じた時に、「言わしめた」と述べることで、敬意と称賛の気持ちを伝えることができます。

以下のようなビジネスシーンで、「言わしめた」を使用することが考えられます。

  • 会議で、同僚や上司が優れた提案や意見を述べた時
  • プロジェクトにおいて、メンバーが困難な課題を見事に解決した時
  • 取引先との交渉で、相手が柔軟な対応や斬新なアイデアを示した時
  • 部下が、顧客からの難しい要望に適切に対処した時
  • 同僚が、自主的に業務改善案を提示し、実行に移した時
  • 上司が、部署の問題解決に向けて的確な判断を下した時
  • 新入社員が、短期間で業務を習得し、優れた成果を上げた時
  • チームメンバーが、互いの強みを生かして見事なチームワークを発揮した時
  • クライアントとの打ち合わせで、相手が的確なニーズ分析と提案を行った時
  • 社内プレゼンテーションにおいて、同僚が説得力のある発表を行った時

まとめ

「言わしめた」は、ビジネスシーンにおいて、相手の発言や行動に感銘を受けた際に使用する表現です。同僚や上司、取引先の方の言葉や行いが、その人の優れた能力や人間性を表していると感じた時に、この表現を用いることで、敬意と称賛の気持ちを伝えることができます。

「言わしめた」を使用する際は、相手の発言や行動が本当に感銘を与えるものであるかを見極め、適切なタイミングで用いることが大切です。

また、上司に対しては、「おっしゃらしめた」など、より丁重な表現を使い分けることも重要でしょう。一方で、自分の発言を「言わしめた」と評価したり、カジュアルすぎる表現を使ったりするのは不適切です。

「言わしめた」を適切に使いこなすことで、ビジネスにおける人間関係の構築や、相手への敬意の表現に役立てることができるでしょう。感銘を受けた相手の言動を、具体的に示しながら称賛の気持ちを伝えることが、「言わしめた」を活用する上でのポイントと言えます。