「されたい」は、相手に何かをしてもらいたいという希望や願望を表現する言葉です。自分の意思を伝えつつ、相手の意向を尊重するという、謙虚で丁寧な印象を与える表現方法と言えるでしょう。
特に、目上の人や取引先など、敬意を払うべき相手に対して使われることが多い言葉です。
「されたい」ビジネスでの意味合い
ビジネスシーンにおいて、「されたい」は、自分の希望や要望を相手に伝える際に使われます。上司に仕事を任せてもらいたい時や、取引先に提案を受け入れてもらいたい時など、相手の行動を促したい場面で用いられるのです。
この表現を使うことで、自分の意思を伝えつつも、相手の意向を尊重し、謙虚な姿勢を示すことができます。使うときのポイントは以下の通りです。
- あくまでも相手の意向を尊重する姿勢を示し、強制的な印象を与えないよう注意しましょう。
- 「お忙しいところ恐縮ですが」など、前置きを添えることで、より丁寧で謙虚な印象を与えることができます。
- 「できれば」「可能であれば」など、断られることを想定した表現を併用すると、柔軟な姿勢が伝わります。
「されたい」上司や目上への正しい敬語
「されたい」は、「する」の受身形「される」に、希望を表す助動詞「たい」が付いた形です。「する」が謙譲語として使われているため、「されたい」全体としては、謙譲語と希望の意味を併せ持つ表現となります。
- 「する」は謙譲語で、自分の行為を低めて表現しています。
- 「れる」「られる」は受身を表す助動詞で、この場合は尊敬の意味合いを持ちます。
- 「たい」は希望を表す助動詞で、話者の願望を表現しています。
上司に対して「されたい」を使う際は、以下の点に注意が必要です。あまりにもしつこく要望を伝えすぎると、プレッシャーを与えてしまう恐れがあります。
タイミングや状況を見極め、TPOに合った使い方を心がけましょう。また、「していただきたい」など、より丁寧な表現を使うのもよいでしょう。
「されたい」の敬語を用いた言い換え
「お願いしたい」は、相手に依頼や要望をする際の丁寧な表現です。「されたい」よりもストレートな言い方になりますが、「お願い」という言葉で丁寧さを表しています。
「していただきたい」は、「されたい」の謙譲語バージョンとも言える表現。「していただく」という謙譲語を用いることで、より丁寧で控えめな印象を与えます。
「お手数ですが」は、相手に負担をかけることを恐縮しつつ、依頼や要望を伝える表現。「されたい」と組み合わせることで、遠慮がちな姿勢を示せます。
「ご検討いただければ」は、提案や依頼に対する相手の判断を仰ぐ表現。「されたい」と併用することで、相手の意向を尊重しつつ、希望を伝えることができるでしょう。
「ご対応くださると幸いです」は、相手の行動に期待を寄せる丁寧な表現。「されたい」という希望に、謙虚な姿勢を添えることができます。
「可能な限りご協力ください」は、相手の都合を考慮しつつ、協力を求める表現。「されたい」と組み合わせることで、柔軟な姿勢を示すことができます。
「ご一考願えれば」は、提案や依頼に対する相手の検討を促す丁寧な表現。「されたい」と併用することで、控えめに意向を伝えられます。
「お力添えいただけますと」は、相手の助力に期待を寄せる表現。「されたい」と組み合わせることで、謙虚に支援を求める姿勢を示せます。
「よろしければお引き受けください」は、相手の判断を仰ぎつつ、依頼を引き受けてもらいたい意向を伝える表現。「されたい」と併用することで、丁寧に要望を伝えられるでしょう。
「されたい」の言い換えには、以下のポイントがあります。
まず、相手の負担や都合を考慮し、柔軟な姿勢を示すことが大切。「お手数ですが」「可能な限り」など、遠慮がちな表現を添えると効果的です。また、「ご検討いただければ」「ご一考願えれば」など、相手の判断を仰ぐ言葉を使うことで、押し付けがましさを避けることができます。
そして、「お願いしたい」「していただきたい」など、より丁寧な表現を選ぶことで、謙虚で真摯な姿勢を示すことができるでしょう。状況に応じて適切な言い換えを使い分けることが、円滑なコミュニケーションにつながります。
「されたい」間違った使用法
「されたい」は、相手の意向を尊重しつつ、自分の希望を伝える丁寧な表現ですが、使い方を誤ると、不適切な印象を与えてしまう恐れがあります。
間違った例文とその解説は以下の通りです。
- 「今日中に報告書を提出されたいです。」
– 上司が部下に対して用いるのは不適切。「提出してください」など、指示の表現が適切です。 - 「会議に出席されたいのですが、いかがでしょうか。」
– 会議への出席は義務的なものなので、「されたい」よりも「出席をお願いします」などの表現が適しています。 - 「今月中に売上目標を達成されたいと思います。」
– 目標達成は部下の責務なので、「されたい」よりも「達成してください」「達成を期待しています」などの表現が適切です。 - 「新しいプロジェクトを担当されたいのですが、どうでしょうか。」
– プロジェクト担当は命令・指示になるため、「されたい」よりも「担当をお願いします」などの表現が適しています。 - 「来週の会議で発表されたいと考えております。」
– 発表は義務的なものなので、「されたい」よりも「発表をお願いします」などの表現が適切です。 - 「今後は定時に出社されたいですね。」
– 定時出社は当然の義務なので、「されたい」よりも「定時に出社してください」などの指示の表現が適しています。
ビジネス例文一覧
会話で「されたい」を使うポイントは、以下の通りです。
「されたい」は、相手に何かをすることを促す際に使われる表現で、連絡、報告、案内、説明、相談、一報、発表、推薦、提案など、様々な行動を求める場合に活用できます。
会話では、必要な行動を明確に伝えつつ、「よろしければ」などの柔らかい表現や、丁寧な依頼の言葉を添えることで、円滑なコミュニケーションを図ることが大切です。また、相手の反応を見ながら、表情や口調にも気を配り、相手に配慮しつつ、明確かつ丁寧に伝えることを心がけましょう。
ビジネスメール作成例
株式会社ダイナミック・セールス
鈴木様
鈴木様
お世話になっております。営業部の佐藤と申します。
今期の営業戦略につきまして、新規顧客開拓に注力したいと考えております。つきましては、具体的な戦略の詳細に関しましては、別添の資料を参照されたいと存じます。
ご多忙の中、恐れ入りますが、資料をご一読いただき、ご意見やアイデアをいただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
メールを作るポイントは以下の通りです。
件名は簡潔に用件を伝え、本文では要点をまとめて伝えます。詳細情報が別の資料にあることを「別添の資料を参照されたい」という表現で示し、相手にその資料を確認するよう促します。
また、「ご意見やアイデアをいただけましたら幸いです」と、相手の反応を促す言葉を添えることで、双方向のコミュニケーションを促進します。「ご多忙の中、恐れ入りますが」など、相手への配慮を示す言葉も忘れずに使うことで、丁寧で好感の持てるメールになるでしょう。
「別添の資料を参照されたい」を適切に使うことで、情報共有とコミュニケーションの効率化を図りつつ、ビジネスの場にふさわしい丁寧な表現が可能になります。
「されたい」を使うビジネスシチュエーション
「されたい」は、相手の意向を尊重しつつ、自分の希望を伝えるのに適した表現です。
- 上司に業務の割り振りを依頼する時
- 同僚に協力を求める時
- 取引先に提案を検討してもらう時
- 顧客にアンケートへの協力を依頼する時
- 部下にタスクの引き受けを打診する時
- 関係部署に情報提供を求める時
まとめ
「されたい」は、ビジネスシーンにおいて、相手に依頼や要望を伝える際に役立つ表現です。自分の希望を伝えつつも、相手の意向を尊重する謙虚な姿勢を示すことができるでしょう。
使用する際は、上司や目上の人に対しては特に、丁寧語や謙譲語を交えて表現することが大切です。また、強制的な印象を与えないよう、「お忙しいところ恐れ入りますが」など、前置きを添えるのも効果的。
そして、あくまでも相手の都合を優先し、柔軟な姿勢を示すことを心がけましょう。「ご検討いただければ」「可能な限りご協力ください」など、言い換えを適切に使い分けることも重要です。
「されたい」を使いこなすことで、円滑なコミュニケーションを図り、良好な関係構築につなげることができるでしょう。ビジネスパーソンとして、この表現を適切に活用し、相手への敬意と謙虚さを示すことが求められます。