「ご記入の上」の意味と使い方、ビジネス例文&言い換え。目上への敬語文法

「ご記入の上」は、書類や申込書などに必要事項を記入してから提出するよう依頼する際に用いられる表現です。相手に対して丁寧に記入を促すとともに、手続きを円滑に進めるための指示を示す言葉として使われます。

「ご記入の上」のビジネスでの意味と使い方

ビジネスシーンにおいて、「ご記入の上」は、契約書や申請書などの重要な書類の提出を依頼する際に頻繁に用いられます。相手に対して必要事項の記入を丁寧に指示することで、手続きを滞りなく進められるだけでなく、相手との信頼関係を築くことにもつながります。

また、「ご記入の上」という表現を使うことで、書類の重要性を相手に認識してもらうことができるでしょう。「ご記入の上」を使うときのポイントは以下の通りです。

  • 必要事項の記入漏れがないよう、具体的な指示を添える
  • 提出期限や提出方法など、手続きに関する情報を明確に伝える
  • 丁寧な言葉遣いを心がけ、相手に負担をかけないよう配慮する

ビジネス例文

「ご記入の上」を使ったビジネス例文を作る際は、相手に対する配慮と、手続きを円滑に進めるための明確な指示が求められます。以下は、「ご記入の上」を使ったビジネス例文です。

同封の申込書に必要事項をご記入の上、返信用封筒にてご返送ください。
ご記入の上、署名捺印をお願いいたします。
ご記入の上、○月○日までに弊社までご提出ください。
添付の書類に必要事項をご記入の上、メールに添付してご返信ください。
ご記入の上、最寄りの営業所までお持ちいただきますようお願い申し上げます。
ご記入の上、FAXにて送信してください。
必要事項をご記入の上、同封の返信用封筒にて弊社宛にご郵送ください。
ご記入の上、担当者までご提出いただきますようお願いいたします。

これらの例文は、「ご記入の上」という表現を用いて、相手に必要事項の記入を促しています。提出方法や期限など、手続きに関する具体的な指示を添えることで、相手の行動を明確に導いています。

また、丁寧な言葉遣いを心がけることで、相手に対する配慮を示しつつ、円滑なコミュニケーションを図っています。

言い換え

「ご記入の上」を言い換える際は、表現の持つ丁寧さと明確さを損なわないよう注意が必要です。以下は、「ご記入の上」の言い換え例です。

「記入いただき」
こちらも丁寧な表現で、相手に記入を依頼する言葉です。
「ご記載の上」
「ご記入の上」と同様の意味を持ち、書類への記載を促します。
「ご記述いただき」
必要事項を記述するよう、丁重に依頼する表現です。
「必要事項をご記入いただき」
記入すべき内容を明示し、丁寧に記入を求める言い方です。
「記入後」
記入が完了した後の手続きを示すシンプルな表現です。
「ご記入いただいた上で」
記入後の行動を明確に指示する、丁寧な言葉遣いです。
「必要事項を記載の上」
記載すべき内容を明示し、手続きを進めるよう促します。
「記入していただき」
やや口語的な表現ですが、丁寧に記入を依頼する言葉です。
「ご記入後」
記入が完了した後の行動を指示する、簡潔な表現です。
「記入の上」
「ご」を省略した、よりシンプルな言い方です。

これらの言い換えを使う際は、状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。例えば、改まった場面では「ご記入の上」や「ご記載の上」など、丁寧な表現を用いるのが適切でしょう。

一方、社内のやりとりなど、よりカジュアルな場面では「記入後」や「記入の上」といったシンプルな言い方も使えます。相手との関係性や、伝えるべき内容の重要度を考慮しながら、最適な言い換えを選びましょう。

「ご記入の上」を上司に使う敬語

「ご記入の上」を上司に使う場合、以下のような敬語表現を用いることができます。

  • ご記入いただき(尊敬語)
  • ご記入くださいまして(丁寧語+尊敬語)

上司に使う際は、「ご記入」という尊敬語に、「いただき」や「くださいまして」といった丁寧語を組み合わせることで、より敬意を示すことができます。ただし、上司に対してあまりにも丁寧すぎる表現は不自然になる可能性があるため、状況に応じて適度な敬語表現を選ぶことが大切です。

また、上司に指示を仰ぐ際は、「ご記入の上」よりも「ご確認いただき」や「ご決裁いただき」など、目的に合った表現を用いるのが適切でしょう。

ビジネスメール例

掲題:申込書のご提出について
株式会社サンライズ
鈴木様

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

先日お送りいたしました申込書ですが、ご多忙の中恐縮ではございますが、ご記入の上、○月○日までにご提出いただけますと幸いです。

ご不明な点やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社ルナテック
田中 太郎

「ご記入の上」の間違った使用法

1. 「申込書に記入の上、ご提出ください。」
→「ご」を省略すると、丁寧さが欠けてしまいます。

2. 「ご記入の上、提出してください。」
→「提出してください」は、やや強い印象を与えかねません。「ご提出ください」などの丁寧な表現が適切です。

3. 「ご記入の上、お持ちいただきますようお願いします。」
→「お持ちいただく」は謙譲語ですが、「お願いします」は丁寧語のため、敬語の使い方が混在しています。

4. 「記入したら、提出期限までに送ってください。」
→「記入したら」は口語的で、ビジネスシーンには不適切です。「ご記入の上」などの丁寧な表現を用いましょう。

「ご記入の上」を使用するビジネスシーン

「ご記入の上」は、ビジネスにおいて書類の提出を依頼する際に頻繁に用いられる表現です。申込書や契約書、アンケートなど、様々な場面で使用されます。以下は、「ご記入の上」を使うビジネスシーンの具体例です。

  • 商品やサービスの申込書を送付し、必要事項の記入を依頼する場面
  • 契約書を送付し、内容の確認と署名・捺印を求める場面
  • アンケートを依頼し、回答の記入を促す場面
  • セミナーや説明会の参加申込書を送付し、必要事項の記入を求める場面
  • 見積書を送付し、内容の確認と承認を依頼する場面
  • 請求書を送付し、振込先や期日などの記入を求める場面
  • 社内の各種申請書を配布し、必要事項の記入を促す場面
  • 顧客情報の更新を依頼し、変更事項の記入を求める場面
  • パートナー企業に提携申請書を送付し、必要事項の記入を依頼する場面
  • メンバーシップの申込書を送付し、個人情報の記入を求める場面

まとめ

「ご記入の上」は、ビジネスシーンにおいて欠かせない表現の一つです。書類の提出を依頼する際に、丁寧かつ明確に相手に指示を伝えることができます。使用する際は、必要事項の記入漏れがないよう具体的な指示を添え、提出方法や期限などの情報を明確に伝えることが大切です。

また、上司に使う場合は、適度な敬語表現を選び、過度に丁寧すぎないよう注意しましょう。「記入いただき」「ご記載の上」など、状況に応じた言い換えを使い分けることで、柔軟なコミュニケーションを図ることができます。ただし、「ご」を省略したり、口語的な表現を用いたりするのは避けましょう。

「ご記入の上」を適切に使いこなすことで、円滑な業務遂行とともに、相手との信頼関係を築くことができるはずです。ビジネスパーソンとして、この表現を上手に活用し、効果的なコミュニケーションを心がけたいものですね。