「重々承知いたしました」の意味と使い方、ビジネス例文＆言い換え。目上への敬語文法

「重々承知いたしました」は、相手の要望や指示を十分に理解し、しっかりと受け止めたことを伝える表現です。この言葉には、単なる理解以上に、相手の意図を深く認識し、責任を持って対応する決意が込められています。

ビジネスの場面では、上司や取引先からの重要な指示を受けた際によく使われます。相手の言葉を軽く受け流すのではなく、その重要性を十分に認識していることを示す効果があります。

ビジネスアドバイザー

「重々承知いたしました」は相手への深い理解と尊重を示す強力なツールですが、使いすぎると逆効果になる可能性があります。

Q
ビジネスにおいて「重々承知いたしました」の意味は？
A

ビジネスでは、相手の指示や要望を深く理解し、確実に実行する意思を示す表現です。単なる了解以上に、責任感を持って対応することを約束する言葉として使われます。

「重々承知いたしました」ビジネスでの意味と使い方

ビジネスの現場で「重々承知いたしました」という言葉を使うとき、単なる返事以上の意味を持ちます。この表現は、相手の指示や要望を深く理解し、その重要性を十分に認識していることを伝えます。同時に、その内容に対して責任を持って対応する意思も含んでいます。

特に重要な案件や、細心の注意が必要な作業を任された際によく使われる表現です。相手の信頼に応えようとする姿勢や、プロフェッショナルとしての自覚を示す効果があります。ただし、使用する場面や頻度には注意が必要で、適切に使うことが大切です。
  • 相手の指示や要望の重要性を十分に認識していることを示す
  • 単なる了解以上に、責任を持って対応する決意を表明する
  • 使用頻度や場面を選び、適切に用いることで効果的なコミュニケーションを図る

ビジネス例文

「重々承知いたしました」をビジネスで使用する際は、状況に応じて適切に選ぶことが大切です。この表現は強い意味を持つため、使いすぎると逆効果になる可能性があります。以下の例文を参考に、場面に合わせて使用してください。
プロジェクトの締め切りが迫っていることは重々承知いたしました。全力で取り組みます。
ご指摘いただいた点については重々承知いたしました。改善に努めてまいります。
お客様の要望を重々承知いたしました。ご期待に沿えるよう最善を尽くします。
資料の提出期限が明日であることは重々承知いたしました。必ず間に合わせます。
この案件の重要性は重々承知いたしました。慎重に対応いたします。
ご指示の内容は重々承知いたしました。確実に実行いたします。
予算の制約があることは重々承知いたしました。その範囲内で最大の効果を出せるよう工夫します。
セキュリティ対策の重要性は重々承知いたしました。細心の注意を払って作業を進めます。
これらの例文は、重要な指示や要望に対する深い理解と、確実に実行する意思を示しています。「重々承知いたしました」という表現を使うことで、相手の言葉を真摯に受け止め、責任を持って対応する姿勢を伝えています。

ただし、この表現は強い意味を持つため、使用する場面や頻度には注意が必要です。重要度の低い日常的なやりとりでは、より軽い表現を選ぶほうが自然です。状況に応じて適切に使い分けることで、効果的なコミュニケーションを図ることができます。

言い換え

「重々承知いたしました」は強い表現のため、状況によっては別の言い方を選ぶほうが適切な場合があります。以下に、場面や相手に応じた言い換え例を紹介します。それぞれの表現の特徴や使い方に注意して、適切に使い分けましょう。
「かしこまりました」
丁寧な表現で、相手の指示を理解し従う意思を示します。「重々承知いたしました」よりも軽めの印象です。
「承知いたしました」
「重々」を省いた表現で、理解と受諾を示しつつ、やや控えめな印象を与えます。
「了解いたしました」
指示や情報を理解したことを伝える一般的な表現です。ビジネスでよく使われますが、上司に対しては避けたほうがよい場合もあります。
「承りました」
相手の言葉を丁寧に受け取ったことを示す表現で、特に顧客対応などで使われます。
「畏まりました」
非常に丁寧な表現で、目上の人や重要な場面で使用します。敬意を込めて従う意思を示します。
「必ず対応いたします」
確実に実行する決意を強調した表現です。責任感を示すのに効果的です。
「しっかりと認識いたしました」
相手の言葉を深く理解したことを強調する表現です。重要な指示を受けた際に適しています。
「ご指示の通り進めます」
相手の指示に従って行動することを明確に示す表現です。具体的な行動につなげる意思を伝えます。
「責任を持って取り組みます」
単なる了解以上に、積極的に責任を引き受ける姿勢を示す表現です。
「慎重に対応いたします」
重要性を認識し、注意深く取り組む姿勢を示す表現です。細心の注意が必要な案件に適しています。
これらの言い換え表現を使う際は、状況や相手との関係性を考慮することが大切です。フォーマルさの度合いや、伝えたい責任感の強さに応じて適切な表現を選びましょう。

また、同じ表現を繰り返し使用するのは避け、場面に応じて使用することで、より自然でスムーズなコミュニケーションが可能になります。相手の立場や案件の重要度を考慮しつつ、適切な表現を選ぶことで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

「重々承知いたしました」上司に使う敬語

「重々承知いたしました」は、上司に対して使う際に適した敬語表現です。この言葉の構成を分解して説明します。
  • 「重々」：副詞で、「十分に」「よく」という意味を強調します。
  • 「承知」：謙譲語で、「理解する」「了解する」の意味を丁寧に表現します。
  • 「いたしました」：謙譲語で、「しました」の丁寧な言い方です。
上司に対してこの表現を使用する際は、相手の地位や状況に応じて適切に判断することが重要です。過度に使用すると、かえって軽い印象を与える可能性があります。重要な指示や特に責任が求められる場面で使用するのが効果的です。

また、言葉遣いだけでなく、態度や表情も重要です。真摯な態度で応対し、しっかりと相手の目を見て話すことで、言葉の意味がより適切に伝わります。上司との信頼関係を築くためにも、適切な使用を心がけましょう。
ビジネスアドバイザー

上司に対して「重々承知いたしました」を使う際は、その後の行動で言葉に責任を持つことが不可欠です。

ビジネスメール例

掲題：プロジェクト進捗報告書の提出について 山田商事株式会社
鈴木部長様

いつもお世話になっております。 株式会社テクノフューチャーの佐藤です。

先日のミーティングでご指示いただきましたプロジェクト進捗報告書の提出期限について、重々承知いたしました。

期日までに必ず提出させていただきます。 また、ご指摘いただいた点についても十分に考慮し、より詳細な内容を盛り込んだ報告書を作成いたします。

何かご不明な点やご要望がございましたら、お気軽にお申し付けください。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社テクノフューチャー
営業部 佐藤健太

「重々承知いたしました」間違った使用法

  • 軽微な事柄に対して使用する
    例：「コピー用紙を補充しておくことは重々承知いたしました」
  • 謝罪の言葉として使用する
    例：「遅刻して申し訳ありません。二度としないよう重々承知いたしました」
  • 相手の意見を否定する際に使用する
    例：「ご提案は重々承知いたしましたが、残念ながら採用は難しいです」
  • 不適切な場面で使用する
    例：（友人との会話で）「今度の飲み会、参加するの重々承知いたしました」

「重々承知いたしました」を使用するビジネスシーン

「重々承知いたしました」は、重要な指示や要望を受けた際に使用される表現です。この表現は、相手の言葉を深く理解し、責任を持って対応する意思を示す強い表現なので、使用する場面を適切に選ぶことが大切です。以下に、この表現が適している具体的なビジネスシーンを紹介します。
  • 重要なプロジェクトの責任者に任命された時
    上司から重要な役割を任されたことへの理解と決意を示します。
  • 取引先から厳しい要求を受けた場合
    相手の要求の重要性を認識し、真剣に対応する姿勢を伝えます。
  • 会社の機密情報を扱う業務を任された時
    情報管理の重要性を十分に理解していることを示します。
  • 締め切りが迫った重要な案件の指示を受けた場合
    時間的制約と案件の重要性を認識していることを伝えます。
  • 会社の将来を左右する大型案件に関与することになった時
    案件の重要性と自身の責任を深く理解していることを示します。
  • 重大なミスの再発防止策を指示された場合
    問題の深刻さを理解し、再発防止に全力を尽くす決意を伝えます。
  • 新しい部署や役職に異動する際の引き継ぎ時
    新たな責任の重要性を理解し、しっかりと引き継ぐ姿勢を示します。
  • 重要な顧客からのクレーム対応を任された時
    状況の深刻さを理解し、誠実に対応する決意を伝えます。
  • 会社の新規事業立ち上げに関わることになった場合
    事業の重要性と自身の役割を十分に認識していることを示します。
  • 法令遵守や企業倫理に関する重要な指示を受けた時
    コンプライアンスの重要性を深く理解し、徹底する決意を伝えます。
ビジネスアドバイザー

「重々承知いたしました」を使う際は、その後の行動で言葉に責任を持つことが重要です。言葉だけでなく、実際の成果で信頼を築きましょう。

まとめ

「重々承知いたしました」は、ビジネスシーンで相手の指示や要望を深く理解し、責任を持って対応する意思を示す強力な表現です。この言葉を適切に使用することで、プロフェッショナルとしての自覚と信頼性を示すことができます。

しかし、その強い意味合いゆえに、使用する場面や頻度には十分な注意が必要です。重要な案件や責任の重い状況で使うのが適切で、日常的な業務や軽微な事柄には別の表現を選ぶべきでしょう。

また、この言葉を使う際は、単に言葉で理解を示すだけでなく、実際の行動でも責任を果たすことが重要です。言葉と行動の一致が、ビジネスパーソンとしての信頼性を高めます。

状況に応じて適切な言い換え表現を使うことも大切です。相手との関係性や案件の重要度を考慮し、時には「承知いたしました」や「かしこまりました」など、より軽めの表現を選ぶことで、自然なコミュニケーションが可能になります。

最後に、「重々承知いたしました」は単なる返事以上の意味を持つことを忘れないでください。この言葉を使うことは、相手の期待に応える決意表明でもあります。責任感を持って仕事に取り組む姿勢を示すことで、ビジネスにおける信頼関係を築き、キャリアの成長につながるでしょう。