「とのことで」意味とビジネス例文&メール作成例。言い換え集と敬語用法

「とのことで」は、相手から聞いた情報や伝言を他の人に伝える際によく使われる表現です。ビジネスシーンでは、上司や同僚、取引先からの連絡内容を正確に伝える際に重宝します。

この表現を使うことで、情報の出所を明確にし、自分の意見と区別することができます。また、伝聞形式を用いることで、相手の言葉をそのまま伝えているという印象を与え、情報の信頼性を高める効果もあります。
Q
ビジネスにおいて「とのことで」の意味は?
A

ビジネスでは、他者から受け取った情報や指示を正確に伝達する際に使用します。責任の所在を明確にし、情報の信頼性を保つ役割があります。

「とのことで」ビジネスにおける意味

  • 情報の出所を明確にする:「とのことで」を使用すると、誰から得た情報なのかを明確に示すことができます。これにより、情報の信頼性が高まり、聞き手も情報の重要性を適切に判断できます。
  • 伝聞形式での情報伝達:この表現を用いることで、自分の意見ではなく他者からの情報であることを明確にします。これは特に重要な決定事項や指示を伝える際に有効で、誤解を防ぐ効果があります。
  • 正確な情報共有:「とのことで」を使うことで、元の発言者の意図をそのまま伝えられます。これは特にチーム内でのコミュニケーションや、複数の部署間での情報共有において重要です。
ビジネスアドバイザー

「とのことで」を使う際は、元の発言者の意図を正確に伝えることを心がけましょう。

使用場面 効果 注意点
上司からの指示伝達 責任の所在が明確 上司の意図を正確に伝える
取引先からの連絡 情報の信頼性向上 必要に応じて確認を取る
社内での情報共有 誤解防止 過度な使用を避ける

ビジネスで使える例文

「とのことで」を使用する際は、相手から得た情報を正確に伝えることが重要です。以下の例文では、様々なビジネスシーンでの使用方法を紹介します。状況に応じて適切に使い分けることで、円滑なコミュニケーションを図ることができます。

具体的な例文を見ていくことで、「とのことで」の使い方のバリエーションや、どのような場面で効果的に使用できるかを理解できるでしょう。
取引先の山田様から、納期を1週間延長してほしいとのことで連絡がありました。
部長が明日の会議を30分遅らせたいとのことです。
システム部門から、新しいソフトウェアの導入が来月になるとのことでした。
人事部からの連絡で、今年の新入社員研修は5月に実施するとのことです。
お客様から商品の仕様変更の要望があったとのことで、検討が必要です。
経理部から、今月の経費申請の締切が早まるとのことで連絡がありました。
営業部の田中さんが、重要な商談で来週出張に行くとのことです。
総務部から、オフィスの移転が来年の春に決定したとのことです。
取締役会で、新規事業の立ち上げが承認されたとのことで報告がありました。
製造部門から、新製品の生産ラインの準備が整ったとのことです。
IT部門からのメールで、全社的なシステムメンテナンスを来週実施するとのことでした。
海外支社から、現地での需要が予想以上に高まっているとのことで報告がありました。
広報部からの連絡で、来月の記者会見の日程が変更になったとのことです。
顧問弁護士から、契約書の一部修正が必要だとのことでアドバイスをいただきました。
これらの例文では、「とのことで」を使用して様々な情報や指示を伝達しています。部署間の連絡、上司からの指示、取引先やお客様からの要望など、幅広いシーンで活用できることがわかります。

この表現を使うことで、情報の出所が明確になり、聞き手も情報の重要性や緊急性を適切に判断できます。また、自分の意見と他者からの情報を区別することで、コミュニケーションの正確性が向上します。

ビジネスでのメール作成例

掲題:プロジェクト進捗状況の共有について 株式会社未来技研
佐藤様

いつもお世話になっております。株式会社イノベーションラボの鈴木です。

先日の打ち合わせでご相談させていただいたプロジェクトの進捗状況について、ご報告いたします。

弊社の開発チームリーダーから、システムの基本設計が予定より1週間早く完了したとのことで報告がありました。

これにより、次のフェーズであるプロトタイプ開発を前倒しで開始できる見込みです。

つきましては、今後のスケジュールについて再度調整させていただきたく存じます。来週中にお時間をいただけますでしょうか。

ご多忙中恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。
このメール例では、「とのことで」を使用して社内からの報告を正確に伝えています。これにより、情報の出所が明確になり、相手に信頼性の高い情報を提供できます。

メールを書く際のポイントとしては、まず情報の発信元を明確にすることが重要です。この例では「開発チームリーダーから」と明記しています。

また、「とのことで」を使用した後に、その情報に基づいて次のアクションや提案を述べることで、メールの目的が明確になります。この例では、スケジュールの再調整を提案しています。

さらに、「とのことで」を使用する際は、前後の文脈と自然につながるよう心がけましょう。唐突に使用すると違和感を与える可能性があります。

「とのことで」をビジネスで使う効果的な場面

「とのことで」は様々なビジネスシーンで活用できる便利な表現です。特に情報の伝達や報告の場面で効果を発揮します。

この表現を適切に使用することで、コミュニケーションの正確性が向上し、ミスコミュニケーションのリスクを軽減できます。また、責任の所在を明確にすることで、組織内の情報の流れがスムーズになります。
  • 上司からの指示伝達:部下に対して上司からの指示を伝える際に使用します。「部長からの指示で、今月の売上目標を10%上方修正することになったとのことです。」のように使うことで、指示の出所が明確になり、部下も適切に対応できます。
  • 取引先との交渉結果報告:商談や交渉の結果を社内で共有する際に効果的です。「取引先の○○社からは、納期を1週間延長してほしいとのことで回答がありました。」と使用することで、交渉の経緯が明確になります。
  • 部門間の情報共有:異なる部署間でのコミュニケーションにおいて重要です。「人事部からの連絡で、来月から新しい勤怠システムが導入されるとのことです。」のように使うことで、部門をまたいだ情報共有がスムーズになります。
  • 会議の結果報告:重要な会議の決定事項を伝える際に使用します。「経営会議で、新規事業への投資が承認されたとのことです。」と伝えることで、決定のプロセスと結果が明確になります。
  • クレーム対応の報告:顧客からのクレームや要望を社内で共有する際に有効です。「お客様からのご指摘で、商品パッケージの表示が分かりにくいとのことでした。」と使用することで、問題の所在が明確になり、迅速な対応につながります。
  • プロジェクト進捗の共有:チーム内での進捗報告に使用します。「デザインチームからの報告で、ロゴの最終案が完成したとのことです。」のように使うことで、各部門の状況が正確に伝わります。
ビジネスアドバイザー

「とのことで」を使う際は、状況に応じて丁寧さのレベルを調整し、適切なコミュニケーションを心がけましょう。

「とのことで」目上の人に使う敬語

「とのことで」自体は敬語表現ではありませんが、ビジネスシーンでは適切な敬語と組み合わせて使用することが重要です。敬語を適切に使うことで、相手への配慮と尊重を示すことができます。
  • 「と」: 接続助詞で、特に敬語ではありません。
  • 「こと」: 名詞で、これも敬語ではありません。
  • 「で」: 助詞で、敬語ではありません。
「とのことで」自体に敬語要素はありませんが、前後の文脈で敬語を使用することで、丁寧な表現になります。例えば、「部長がおっしゃっていたとのことで」のように、「おっしゃる」という尊敬語を組み合わせることができます。

目上の人に使う際に注意すべき点としては、まず、情報の出所を明確にすることが重要です。特に上司や重要な取引先からの情報を伝える場合は、「〇〇様からのお話で」など、敬称をつけて伝えましょう。

また、「とのことで」の前後で適切な敬語を使用することで、全体的な丁寧さを保つことができます。例えば、「社長から来週の会議を延期したいとのことでございました」のように、「ございました」を付けることで、より丁寧な表現になります。
ビジネスアドバイザー

目上の人に使う際は、相手の立場や状況を考慮し、適切な敬語レベルを選択することが大切です。

基本表現 敬語表現 使用例
〜とのことで 〜とのことでございます 部長からのご指示とのことでございます
〜と言っていた 〜とおっしゃっていました 社長がそのようにおっしゃっていたとのことです
〜から聞いた 〜から承りました 取引先様から承りましたとのことで報告いたします

言い換え&類語

「〜だそうです」
「とのことで」よりも少しカジュアルな印象を与える言い方です。informal な場面で使用されることが多いでしょう。
「〜と伺っております」
より丁寧な表現で、特に目上の人や重要な取引先に対して使用します。相手への敬意を表す効果があります。
「〜との報告がありました」
公式な場面や文書で使用される表現です。特に重要な情報を伝える際に適しています。
「〜と聞いています」
カジュアルな表現で、友人や同僚との会話で使用されることが多いです。信頼性は「とのことで」よりも低くなる可能性があります。
「〜と承知しております」
フォーマルな表現で、特にビジネス文書や公式な場面で使用されます。情報を確実に理解していることを示す効果があります。
「〜とのことです」
「とのことで」とほぼ同じ意味ですが、より文末に使われることが多い表現です。文章を締めくくる際に適しています。
「〜と言われています」
一般的な情報や噂を伝える際に使用される表現です。信頼性は「とのことで」よりも低くなる可能性があります。
「〜という連絡がありました」
特定の人や部署からの情報を伝える際に使用します。正式な通知や連絡事項を伝える場合に適しています。
「〜とのお話でした」
対面での会話や電話での会話内容を伝える際に使用される表現です。やや丁寧な印象を与えます。
「〜との通知を受けました」
公式な通知や告知を受けたことを伝える際に使用します。特に重要な決定事項や指示を伝える場合に適しています。
「〜と伝え聞いております」
間接的に情報を得たことを示す表現です。直接的な情報源がない場合や、慎重に情報を伝えたい場合に使用されます。
言い換えをする際のコツは、状況や相手との関係性、情報の重要度を考慮することです。フォーマルな場面では「と承知しております」や「と伺っております」のような丁寧な表現を選びましょう。

一方、カジュアルな場面では「だそうです」や「と聞いています」のような親しみやすい表現が適しています。また、情報の確実性や重要性に応じて、「との報告がありました」や「との通知を受けました」など、より正式な表現を選択することも大切です。

状況に応じて適切な言い換えを選ぶことで、コミュニケーションの効果を高められます。相手の立場や情報の性質を考慮し、最適な表現を選びましょう。

「とのことで」間違った使用法

「とのことで」は便利な表現ですが、使い方を誤ると意味が通じなくなったり、不適切な印象を与えたりする可能性があります。以下に間違った使用例とその解説を紹介します。
  • 直接聞いた内容に使用する:
    「先ほど部長から直接指示を受けたとのことです。」
    → 直接聞いた内容には「とのことで」は使用しません。「部長から直接指示を受けました。」が適切です。
  • 明らかな事実に使用する:
    「今日は雨が降っているとのことです。」
    → 誰もが確認できる明白な事実には使用しません。単に「今日は雨が降っています。」で十分です。
  • 推測や予想に使用する:
    「来年の売上は増加するとのことで予想しています。」
    → 推測や予想には使用しません。「来年の売上は増加すると予想しています。」が正しい表現です。
  • 命令や要求に使用する:
    「この書類を至急提出するとのことで指示します。」
    → 命令や要求には適しません。「この書類を至急提出するよう指示します。」が適切です。
  • 疑問文に使用する:
    「会議は何時からとのことですか?」
    → 疑問文では不自然です。「会議は何時からですか?」または「会議は何時からだと聞いていますか?」が適切です。
ビジネスアドバイザー

「とのことで」の使用は、常に情報の出所と伝達の目的を意識しましょう。適切な使用で、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

「とのことで」まとめ

「とのことで」は、ビジネスコミュニケーションにおいて非常に重要な役割を果たす表現です。この言葉を適切に使用することで、情報の伝達がより正確になり、組織内外のコミュニケーションが円滑になります。

この表現の最大の利点は、情報の出所を明確にできることです。これにより、責任の所在が明らかになり、情報の信頼性も高まります。特に重要な決定事項や指示を伝える際には、「とのことで」を使用することで、聞き手も適切に対応できるようになります。

しかし、使用する際には注意も必要です。自分の意見や直接聞いた内容、明らかな事実には使用しないよう気をつけましょう。また、相手との関係性や場面に応じて、適切な敬語表現と組み合わせることも重要です。

ビジネスシーンでは、正確さと丁寧さのバランスが求められます。「とのことで」を上手く活用することで、プロフェッショナルな印象を与え、効果的なコミュニケーションを実現できるでしょう。状況を適切に判断し、この表現を効果的に使いこなすことで、ビジネスパーソンとしての評価も高まることでしょう。