「持っていきます」敬語を上司に使うコツ。メール例&ビジネス例文、言い換えと注意点

「持っていきます」は、ビジネスシーンで頻繁に使用される表現です。この言葉は、物を一つの場所から別の場所へ運ぶという基本的な意味を持っています。オフィスでの日常業務から、取引先への訪問まで、様々な場面で活用されます。

ビジネスにおいて「持っていきます」と言うことは、単に物を運ぶだけでなく、仕事の円滑な進行に貢献する姿勢を示すことにもなります。この一言で、誰が何をどこへ運ぶのかが明確になり、業務の効率化にも役立ちます。
Q
ビジネスにおいて「持っていきます」の意味は?
A

書類や商品など、必要なものを指定された場所に運ぶことを表します。自ら行動する意思を示し、仕事をスムーズに進める態度を表現する言葉です。

「持っていきます」上司への正しい敬語の使用法

「持っていきます」を上司に対して使う場合、適切な敬語表現が必要です。この言葉を分解すると、「持つ」と「行く」という二つの動詞で構成されています。それぞれを丁寧語・尊敬語・謙譲語に変換すると以下のようになります。
  • 「持つ」:丁寧語「持ちます」、尊敬語「お持ちになります」、謙譲語「お持ちします」
  • 「行く」:丁寧語「行きます」、尊敬語「いらっしゃいます」、謙譲語「参ります」
上司に使う際は、「お持ちいたします」や「持参いたします」などの謙譲表現を用いるのが適切です。また、状況に応じて「こちらでお運びいたします」など、より丁寧な表現を選ぶことも重要です。
ビジネスアドバイザー

上司への敬語使用は、相手の立場を尊重し、自分の行動に責任を持つ姿勢を示す重要な機会です。

表現 使用場面 丁寧さのレベル
持っていきます 同僚や部下に対して 標準
お持ちいたします 上司や取引先に対して 丁寧
持参させていただきます 特に重要な場面や高位の相手に対して 最も丁寧

「持っていきます」の敬語を用いた言い換え

「お持ちいたします」
最も一般的な敬語表現で、多くのビジネスシーンで使用できます。
「持参いたします」
やや格式高い表現で、重要な書類や商品を運ぶ際に適しています。
「お届けいたします」
特に相手の元へ物を運ぶ際に使用し、サービス精神を表現できます。
「お運びいたします」
「持つ」よりも「運ぶ」を強調し、より丁寧な印象を与えられます。
「持参させていただきます」
「させていただく」を使うことで、より謙虚な姿勢を示すことができます。
「お持ちさせていただきます」
「お持ちする」と「させていただく」を組み合わせた、非常に丁寧な表現です。
「ご持参申し上げます」
最も格式高い表現の一つで、特に重要な場面で使用されます。
「お持ちしてまいります」
「まいる」を使うことで、謙譲の意味がさらに強調されます。
「携行いたします」
やや硬い表現ですが、公式な文書などで使用されることがあります。
これらの言い換えを使用する際のポイントは、状況や相手との関係性に応じて適切な表現を選ぶことです。基本的には「お」や「いたす」などの謙譲語を使い、より丁寧さが求められる場面では「させていただく」や「申し上げる」などを追加します。また、「運ぶ」「届ける」「携行する」など、状況に合わせた動詞を選ぶことで、より具体的で適切な表現になります。

ビジネス例文一覧

ビジネスシーンでの「持っていきます」の使用例を、様々な状況を想定して作成しました。これらの例文は、主に同僚や部下、他部署の方、取引先などとのコミュニケーションを想定しています。

状況や相手との関係性によって、使い方や丁寧さの度合いが変わってくることに注意しましょう。フォーマルな場面から比較的カジュアルな場面まで、幅広いケースを想定しています。それでは、具体的な例文を見ていきましょう。

佐藤さん、プレゼン資料の最新版ができましたよ。私が会議室まで持っていきますので、先に行っていてください。
営業部の皆さん、新製品のカタログができました。各デスクまで私が持っていきますので、少々お待ちください。
田中さん、この書類を経理部に提出する必要があるんですが、私が代わりに持っていきますよ。あなたは今の作業に集中してください。
ABC商事の鈴木様、サンプル商品の準備ができました。明日の商談の際に私が直接持っていきますので、ご確認をお願いいたします。
山田くん、この重要書類を総務部に届ける必要があるんだけど、君は今忙しそうだね。私が持っていきますから、そのまま作業を続けてくれて大丈夫だよ。
皆さん、来週の展示会の準備品リストができました。必要な物は私が一括して持っていきますので、個別に持参する必要はありません。
高橋さん、クライアントからの修正依頼の資料ですね。デザイン部門まで私が持っていきますので、次の作業に取り掛かってください。
XYZ工業の渡辺様、ご依頼の見積書が完成しました。明日、貴社まで直接持っていきますので、ご都合のよい時間をお知らせください。
木村さん、この重要な契約書、法務部でのチェックが必要なんです。私が責任を持って持っていきますから、安心して他の業務に集中してくださいね。
新入社員の皆さん、この書類は人事部に提出が必要です。まとめて私が持っていきますので、こちらのトレイに入れておいてください。
これらの例文では、「持っていきます」を使うことで、自発的に行動する姿勢や相手への配慮を示しています。同僚や部下に対しては、彼らの負担を軽減する意図が伝わるように使用し、取引先に対しては誠実さと積極性を表現するように心がけています。状況に応じて適切な表現を選ぶことで、スムーズなコミュニケーションと良好な関係性の構築につながります。

「持っていきます」ビジネスでの意味合い

ビジネスにおいて「持っていきます」は、単に物を運ぶという行為以上の意味を持ちます。この表現は、積極性や責任感、チームワークの精神を示す重要な役割を果たします。例えば、会議資料を「持っていきます」と言うことで、会議の準備に貢献する姿勢を示すことができます。また、取引先へのサンプル品を「持っていきます」と伝えることで、顧客サービスへの熱心さをアピールできます。
ビジネスアドバイザー

「持っていきます」は、物理的な行動だけでなく、仕事に対する姿勢も表現できる重要なコミュニケーションツールです。

使うときのポイントを詳しく解説します。
  • 明確性:何を、どこへ持っていくのかを具体的に伝えることが重要です。これにより、誤解を防ぎ、スムーズな業務進行につながります。
  • タイミング:適切なタイミングで「持っていきます」と言うことで、先を見越した行動力をアピールできます。例えば、会議の直前ではなく、十分な余裕を持って資料を運ぶことを伝えるなど。
  • 責任感:「持っていきます」と言うことは、その物の安全な輸送に対する責任を引き受けることを意味します。特に重要書類や高価な商品を扱う際は、この責任感を意識することが大切です。

ビジネスメール作成例

掲題:プロジェクト資料の送付について 株式会社テックイノベーション
佐藤様

いつもお世話になっております。グローバルソリューションズの田中です。

先日のオンライン会議でご依頼いただきました、新規プロジェクトの詳細資料の準備が整いましたのでご連絡いたします。

明日午後2時頃、私が直接御社まで持っていきます。ご都合はいかがでしょうか?

資料にはプロジェクトの概要、スケジュール案、予算見積もりなどを含んでおります。直接お持ちすることで、その場でご質問にお答えしたり、詳細な説明を加えたりできればと考えております。

もし明日の午後2時がご都合悪い場合は、別の日時をご提案いただければ幸いです。柔軟に対応させていただきます。

また、事前に確認しておきたい点などございましたら、遠慮なくお知らせください。可能な限り、資料に反映させてまいります。

ご多忙中恐れ入りますが、ご返信いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。
このビジネスメールを作成する際のポイントをいくつか挙げていきましょう。 まず、メールの構成が適切で、情報が整理されていることが重要です。件名、宛先、自己紹介から始まり、本題、提案、そして締めくくりと、順序立てて書かれています。

「持っていきます」の使用については、直接的なアプローチを示しつつも、相手の都合を確認する形で使われています。これにより、積極性と配慮のバランスを取っています。

また、資料の内容や直接持参する理由を明確に説明することで、相手に対する誠意と準備の周到さを示しています。さらに、相手の都合に合わせて調整できる柔軟性も表現されており、ビジネスマナーとして適切です。

最後に、事前の確認事項を尋ねることで、相手のニーズに応じた対応をする姿勢を示しています。これは良好なビジネス関係を築く上で重要なポイントです。

「持っていきます」を使うビジネスシチュエーション

「持っていきます」は、物を運ぶ場面で幅広く使用される表現です。ビジネスシーンでは、効率的な業務遂行や円滑なコミュニケーションを図る上で重要な役割を果たします。この表現を適切に使用することで、自発的な行動力や責任感を示すことができます。
  • 会議資料の配布:会議の開始前に、必要な資料を会議室に運ぶ際に使用します。「会議資料は私が会議室に持っていきます」と言うことで、準備の手伝いをする意思を示せます。
  • 顧客訪問時の商品サンプル:取引先や顧客のもとへ商品サンプルを持参する際に使います。「新製品のサンプルは私が持っていきます」と伝えることで、営業活動への積極性をアピールできます。
  • 部署間の書類移動:異なる部署間で書類をやり取りする際に使用します。「この申請書は総務部に私が持っていきます」と言うことで、業務の円滑化に貢献する姿勢を示せます。
  • 出張時の資料運搬:他支社や取引先への出張の際、必要な資料や物品を運ぶ時に使います。「出張の際、この資料を支社に持っていきます」と伝えることで、準備の周到さをアピールできます。
  • イベント準備:社内イベントや展示会などの準備で物品を運ぶ際に使用します。「展示会の備品は私が会場に持っていきます」と言うことで、イベント成功への貢献意欲を示せます。
  • 重要書類の配送:機密性の高い書類や契約書などを運ぶ際に使います。「この重要書類は私が直接本社に持っていきます」と伝えることで、セキュリティへの配慮と責任感を表現できます。

「持っていきます」間違った使用法

「持っていきます」は便利な表現ですが、使い方を誤ると誤解を招いたり、失礼になったりすることがあります。以下に、避けるべき使用例をいくつか紹介します。
  • 上司に対して:「この書類、社長室に持っていきます。」
    解説:上司に対しては、より丁寧な表現を使うべきです。「お持ちいたします」などの敬語表現が適切です。
  • 責任の所在が不明確:「この機密資料、誰かが持っていきます。」
    解説:機密情報の取り扱いには明確な責任者が必要です。「誰か」という曖昧な表現は避け、具体的に担当者を指定すべきです。
  • 安全性への配慮不足:「この危険物、私が一人で持っていきます。」
    解説:危険物の運搬には適切な安全対策と、場合によっては複数人での対応が必要です。安全性を無視した発言は避けるべきです。
  • 顧客の許可なしの行動:「お客様の荷物、勝手に車まで持っていきます。」
    解説:顧客の所有物を扱う際は、必ず事前に許可を得るべきです。「勝手に」という表現は顧客サービスとして不適切です。
  • 時間や場所の指定がない:「この書類、いつか持っていきます。」
    解説:業務の遂行には明確な時間設定が重要です。「いつか」という曖昧な表現は避け、具体的な期限を設定すべきです。
  • 他者の負担を考えない発言:「全部の備品を一度に持っていきます。誰も手伝わなくていいです。」
    解説:自分の能力を超える作業を引き受けることは危険です。チームワークを重視し、適切な役割分担をすべきです。

まとめ

ビジネスにおいて「持っていきます」は、物を一つの場所から別の場所へ運ぶという基本的な意味を持つ重要な表現です。この言葉は、日常的な業務から重要な取引まで、様々な場面で活用されます。

適切に使用することで、自発的に行動する姿勢や、業務の円滑な進行への貢献を示すことができます。例えば、会議資料を会議室に運んだり、取引先にサンプル品を届けたりする際に使われ、仕事の効率化に役立ちます。

ただし、使用する際は相手や状況に応じた適切な言い回しを選ぶことが重要です。上司に対しては「お持ちいたします」などの敬語を用い、同僚や部下に対してはより親しみやすい表現を使うなど、場面に応じた使い分けが求められます。

「持っていきます」は、単に物を運ぶ行為を示すだけでなく、責任感や配慮の姿勢も表現できます。この言葉を適切に使いこなすことで、ビジネスパーソンとしての基本的な態度を示し、スムーズな業務遂行に貢献できるでしょう。