「していただきたく存じます」意味と使えるビジネス例文＆言い換え集。メール例と正しい敬語

「していただきたく存じます」は、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な表現です。相手に何かをお願いする際に用いられ、高い敬意を示しつつ、相手の行動を促す効果があります。この表現は、相手の立場を尊重しながら、自分の要望を伝える上で非常に有効です。

この言葉は、「して」「いただく」「たい」「存じる」という複数の要素から成り立っています。それぞれが丁寧さを表す役割を持ち、組み合わさることで、より洗練された印象を与えます。使用する際は、相手との関係性や状況を十分に考慮することが大切です。
Q
ビジネスにおいて「していただきたく存じます」の意味は？
A

ビジネスで「していただきたく存じます」は、相手に丁重にお願いする際の表現です。相手の行動を控えめに要望し、敬意を示しながら協力を求める意味を持ちます。

「していただきたく存じます」ビジネスにおける意味

ビジネスにおいて「していただきたく存じます」は、相手に対して最大限の配慮を示しながら依頼をする際に使用される表現です。この言葉を用いることで、相手の立場を尊重し、自分の要望を丁寧に伝えることができます。特に、目上の人や取引先など、敬意を払うべき相手に対して効果的です。

この表現は、単なる依頼以上の意味を持ち、相手の協力なしでは成り立たない状況であることを暗に示します。そのため、使用する際は状況をよく判断し、適切なタイミングで用いることが重要です。
ビジネスアドバイザー

「していただきたく存じます」は相手の協力を引き出す強力なツールですが、使いすぎると逆効果になる可能性があります。

使うときのポイントは以下の通りです。
  • 相手の立場や状況を十分に考慮してから使用すること
  • 過度に使用せず、重要な依頼や正式な文書での使用に限定すること
  • 口頭でも使えますが、主に書面やメールでの使用が適切です
使用シーン 効果 注意点
正式な依頼文書 高い敬意を示せる 文脈に合わせて使用
重要な商談 相手の協力を促せる 使用頻度に注意
上司への報告 丁寧さを表現できる 状況に応じて使い分け

ビジネスで使える例文

「していただきたく存じます」は、様々なビジネスシーンで活用できる便利な表現です。ただし、使用する際は文脈や相手との関係性を考慮することが大切です。以下の例文は、異なる状況での使用方法を示しています。それぞれの例文で、どのような依頼や要望が丁寧に伝えられているかに注目してください。

また、この表現は文末に使われることが多いですが、文の構造によっては文中に組み込むこともあります。状況に応じて、自然な文の流れを心がけましょう。
本件について、ご検討していただきたく存じます。
会議の日程変更に関して、ご協力していただきたく存じます。
新製品のサンプルをご確認していただきたく存じます。
本プロジェクトへのご参加をしていただきたく存じます。
ご多忙中誠に恐縮ですが、ご返答していただきたく存じます。
当社の提案をお聞きしていただきたく存じます。
本資料をご精査していただきたく存じます。
弊社製品をご利用していただきたく存じます。
この件に関して、ご指導していただきたく存じます。
今後とも変わらぬご愛顧していただきたく存じます。
これらの例文は、「していただきたく存じます」を使って丁寧に要望や依頼を伝える方法を示しています。この表現は、相手の行動を促すと同時に、敬意を表すことができます。使用する際は、相手の立場や状況、依頼の内容に応じて適切に選択することが重要です。

また、文脈によっては、この表現の前に「ぜひ」や「何卒」などの言葉を添えることで、さらに丁寧さや切実さを強調することができます。

言い換え＆類語

「していただきたく存じます」は丁寧な表現ですが、状況によっては別の言い方の方が適切な場合もあります。言い換えをする際は、相手との関係性、文書の形式、伝えたい内容の重要度などを考慮しましょう。以下に、様々な言い換え表現とその解説を示します。
「お願い申し上げます」
より簡潔で、やや格式ばった表現です。公式文書などで使われることが多いです。
「ご検討いただければ幸いです」
相手の意思を尊重しつつ、やわらかい印象で依頼できる表現です。
「お願いいたします」
「していただきたく存じます」よりもやや簡略化された表現で、日常的に使用されます。
「ご協力をお願いできますでしょうか」
相手の意向を伺いながら協力を求める表現で、柔軟性があります。
「ご対応いただけますと幸いです」
相手の行動に期待を寄せつつ、丁寧に依頼する表現です。
「お力添えいただけますと助かります」
相手の協力が自分にとって有り難いことを示す表現です。
「ご配慮いただけますと幸甚です」
非常に丁寧な表現で、相手の配慮に対する感謝の念を込めています。
「ご高配賜りますようお願い申し上げます」
最も格式高い表現の一つで、重要な文書や特別な場合に使用します。
「お取り計らいいただけますと幸いです」
相手の裁量に任せつつ、望ましい対応を期待する表現です。
「よろしくお願い申し上げます」
一般的によく使われる丁寧な表現で、様々な場面で適用できます。
言い換えをするときのコツは、相手との関係性や文脈に応じて適切な表現を選ぶことです。また、文書全体のトーンと合わせることも重要です。過度に丁寧すぎる表現や、逆に簡素すぎる表現は避け、状況に応じたバランスの取れた言い回しを心がけましょう。必要に応じて、複数の表現を組み合わせることで、より自然で効果的な文章を作ることができます。

ビジネスでのメール作成例

掲題：新商品サンプルのご確認依頼について 山田産業株式会社
佐藤様

いつもお世話になっております。株式会社ユニバースの鈴木です。

先日のお打ち合わせでお話しした新商品のサンプルが完成いたしましたので、ご連絡させていただきます。

つきましては、サンプルをご確認していただきたく存じます。当社営業担当が直接お持ちいたしますので、ご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。

今回のサンプルは、佐藤様からいただいたご意見を反映し、機能性とデザイン性を向上させております。ぜひ、実際に手に取ってご覧いただければと存じます。

ご多忙中誠に恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
このメール例では、「していただきたく存じます」を適切に使用しつつ、全体的に丁寧な文章構成を心がけています。メールを書く際のポイントとしては、以下のことが挙げられます。

まず、冒頭で相手への敬意を示し、本題に入る前に簡単な自己紹介をしています。次に、メールの目的を明確に述べ、「していただきたく存じます」を使って丁寧に依頼しています。また、具体的な行動（サンプル確認と日時の連絡）を明示し、相手の負担を軽減するための提案（直接持参）も行っています。

最後に、製品の特徴を簡潔に述べることで、相手の興味を引き出す工夫をしています。締めくくりの一文で再度丁寧にお願いすることで、メール全体の印象を良くしています。

「していただきたく存じます」敬語の文法

「していただきたく存じます」は、複数の敬語要素を組み合わせた高度な敬語表現です。この表現を文法的に分解し、それぞれの部分がどのような役割を果たしているかを説明します。
  • 「して」：動詞の連用形で、相手の行動を表します。
  • 「いただく」：謙譲語で、「もらう」の尊敬語です。相手の行動を自分が受ける意味を丁寧に表現します。
  • 「たい」：願望を表す助動詞です。ここでは「いただきたい」となり、相手の行動を望む気持ちを表します。
  • 「存じる」：謙譲語で、「思う」の謙譲表現です。自分の考えや意思を控えめに表現します。
  • 「ます」：丁寧語で、文全体を丁寧な表現にします。
これらの要素が組み合わさることで、「していただきたく存じます」は非常に丁寧で、相手への敬意を十分に示す表現となります。この表現は、相手の行動を望みつつも、押し付けがましくならないよう配慮した形になっています。
ビジネスアドバイザー

敬語の各要素を理解することで、状況に応じて適切な敬意レベルの表現を選択できるようになります。

「していただきたく存じます」をビジネス使う効果的な場面

「していただきたく存じます」は、ビジネスシーンで適切に使用することで、相手への敬意を示しつつ、効果的に要望や依頼を伝えることができます。この表現を使う場面は、主に相手の協力や行動が必要不可欠な状況で、かつ丁重にお願いする必要がある場合です。 以下に、この表現を効果的に使用できるビジネス場面を詳しく解説します。
  • 重要な企画や提案の承認を求める時：新規プロジェクトや大型案件の提案書を提出する際、決裁権者に対して「ご検討していただきたく存じます」と使用することで、丁重に審査を依頼できます。
  • 取引先との契約更新を依頼する場合：長年の取引関係を維持するために、「今後も弊社製品をご利用していただきたく存じます」と使うことで、継続的な関係性を丁寧に求められます。
  • 上司や役員に報告や相談をする時：重要な業務報告や経営判断が必要な案件について、「ご指導していただきたく存じます」と使用することで、適切な助言や指示を仰ぐことができます。
  • クライアントにサービスや製品の利用を勧める際：新規顧客獲得や既存顧客へのアップセルの場面で、「弊社の新サービスをご検討していただきたく存じます」と使うことで、押し付けがましくなく提案できます。
  • 社内での協力要請：部署間連携が必要なプロジェクトで、「本件にご協力していただきたく存じます」と使用することで、丁寧に他部署の協力を求められます。
  • お詫びや謝罪の際の改善提案：問題発生時に「今後の対応策をご確認していただきたく存じます」と使うことで、誠意を示しつつ建設的な対話を促すことができます。
これらの場面で「していただきたく存じます」を適切に使用することで、ビジネスコミュニケーションをより円滑にし、相手との良好な関係を維持・構築することができます。
使用場面 効果 注意点
企画提案 丁重な審査依頼 提案内容の明確さ
契約更新 継続的関係の強化 過去の実績も併せて提示
上司への報告 適切な指導の要請 報告内容の簡潔さ
新規顧客獲得 押し付けがない提案 顧客ニーズの把握

「していただきたく存じます」間違った使用法

「していただきたく存じます」は丁寧な表現ですが、使い方を誤ると逆効果になることがあります。以下に、間違った使用例とその解説を示します。
  • 「明日までに書類を提出していただきたく存じます」
    解説：緊急性の高い依頼に使用すると、急ぐ必要性が伝わりにくくなります。代わりに「明日までに書類の提出をお願いいたします」などがより適切です。
  • 「社員食堂でマナーを守っていただきたく存じます」
    解説：日常的な注意喚起には、やや大げさすぎる表現です。「社員食堂でのマナー遵守にご協力ください」などの簡潔な表現が適しています。
  • 「商品の値段を教えていただきたく存じます」
    解説：単純な質問に対して過剰に丁寧で、違和感があります。「商品の価格をお教えいただけますでしょうか」程度が適切です。
  • 「毎日出社していただきたく存じます」
    解説：日常的な業務指示に使用すると、皮肉に聞こえかねません。「毎日の出社をお願いします」など、より直接的な表現が好ましいです。
  • 「10分以内に返事していただきたく存じます」
    解説：即時の対応を求める際には不適切です。「10分以内のご返答をお願いいたします」などの明確な表現が適しています。
  • 「もっと頑張っていただきたく存じます」
    解説：個人への励ましや指導の場面では、この表現は距離感がありすぎます。「さらなる努力を期待しています」などの直接的な表現が適切です。

「していただきたく存じます」まとめ

「していただきたく存じます」は、ビジネスコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす洗練された表現です。この言葉を適切に使用することで、相手への敬意を示しつつ、自分の要望や依頼を効果的に伝えることができます。

ただし、この表現の使用には慎重さも求められます。過度に形式的になりすぎたり、状況にそぐわない場合には、かえってコミュニケーションを硬直させてしまう可能性があります。相手との関係性、伝えたい内容の重要度、そして全体の文脈を十分に考慮して使用することが大切です。

また、「していただきたく存じます」は単なる言葉の飾りではありません。この表現を使用する際は、相手の立場や負担を十分に考慮し、真摯な態度で依頼や要望を伝えることが重要です。言葉遣いだけでなく、その背後にある誠意や配慮の気持ちが伝わってこそ、この表現の真価が発揮されるのです。

ビジネスシーンでの円滑なコミュニケーションには、適切な敬語表現の使用が欠かせません。「していただきたく存じます」を含む様々な表現を状況に応じて使い分け、相手との良好な関係構築に役立てていくことが、プロフェッショナルなビジネスパーソンには求められます。この表現の本質を理解し、効果的に活用することで、より洗練されたビジネスコミュニケーションを実現できるでしょう。