「足並みを揃える」意味とビジネス例文&メール作成例。言い換え集と敬語用法

「足並みを揃える」は、グループや組織のメンバーが同じ方向を向いて、同じペースで行動することを表す表現です。もともとは、複数の人が歩くときに歩調を合わせることから来ている言葉です。

ビジネスの場面では、チームワークや協調性を重視する際によく使われる表現です。関係者全員が同じ目標に向かって、同じタイミングで行動することを示す際に使用します。
Q
ビジネスにおいて「足並みを揃える」の意味は?
A

組織やチーム内で、全員が同じ目標や方針に沿って、協力して行動することです。

「足並みを揃える」ビジネスにおける意味

ビジネスアドバイザー

組織の一体感を高めるためには、まず目標を明確に共有することが重要です。

  • 組織やチームで物事を進める際に、メンバー全員が同じ目標を持ち、同じ方向に向かって行動することを示します。時間や進め方、考え方などを統一することで、効率的な業務遂行が可能になります。
  • 意思決定や行動のタイミングを合わせることを意味します。特にプロジェクトや新規施策の実施において、関係者全員が同じスケジュールで動くことで、混乱を防ぎ、スムーズな進行を実現できます。
  • 組織の一体感や団結力を表現する際に使用します。全員で協力して同じ方向を向くことで、チームワークが強化され、より大きな成果を上げることができます。

ビジネスで使える例文

「足並みを揃える」は、ビジネスシーンで様々な場面に活用できる表現です。特に、チームワークや組織の連携が重要な場面で効果的に使用できます。以下の例文を参考に、状況に応じた適切な使い方を学んでいきましょう。
使用シーン 重要ポイント 効果
プロジェクト開始時 目標共有 方向性の統一
部門間連携 情報共有 業務効率向上
新規施策実施 進行管理 円滑な実施
全社で新しい取り組みを始めるにあたり、各部署と足並みを揃えるため、事前説明会を実施いたします。
部門間の連携を強化するために、まずは営業部門と製造部門で足並みを揃えることから始めましょう。
新システム導入に向けて、関係各所と足並みを揃える必要があります。
プロジェクトを成功させるために、チーム全体で足並みを揃えることが重要です。
海外拠点とも足並みを揃えるため、グローバル会議を開催したいと思います。
業務改善の施策について、まずは管理職で足並みを揃えるようにいたしましょう。
今回の商品展開では、営業戦略について全支店で足並みを揃える形で進めます。
品質管理の新基準について、工場間で足並みを揃えるための研修を実施します。
社内制度の変更に関して、各部署と足並みを揃えるよう調整を進めています。
来期の目標達成に向けて、グループ会社全体で足並みを揃える方針です。
新規プロジェクトでは、開発部門と企画部門が足並みを揃えることが求められます。
今後の方針について、経営陣と現場で足並みを揃える必要があります。
顧客対応の標準化のため、全営業所で足並みを揃えるマニュアルを作成しました。
環境対策について、業界全体で足並みを揃える取り組みを推進しています。
これらの例文から分かるように、「足並みを揃える」は組織の連携や統一性を示す際に幅広く活用できます。部門間、拠点間、階層間など、様々な関係性において使用でき、目標達成や業務改善のための重要な概念を表現できます。

特に、新しい取り組みやプロジェクトの開始時、組織変更の際など、複数の関係者が協力して進める必要がある場面で効果的です。

ビジネスでのメール作成例

ビジネスアドバイザー

協力依頼のメールでは、相手の立場に立った丁寧な説明と具体的なアクションプランを示すことが重要です。

掲題:新プロジェクト推進に関するご協力のお願い 山田工業株式会社
営業企画部 鈴木様

いつもお世話になっております。

先日ご相談させていただいた新商品開発プロジェクトについて、ご連絡申し上げます。

弊社としましては、両社の強みを活かした商品開発を実現するため、企画段階から足並みを揃える形で進めさせていただければと考えております。

つきましては、来週中に打ち合わせの機会をいただけますと幸いです。

ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、ご検討いただけますようお願い申し上げます。

佐藤商事株式会社
商品開発部 田中一郎
メール作成のポイントは以下の通りです。

1. 目的を明確に示し、協力をお願いする意図を丁寧に説明します。

2. 「足並みを揃える」という表現を使用することで、両社が協力して進めていく姿勢を示します。

3. 具体的なアクションプラン(この場合は打ち合わせの提案)を示し、次のステップを明確にします。

「足並みを揃える」を使う効果的な場面

ビジネスアドバイザー

組織の規模が大きいほど、足並みを揃えることの重要性は増していきます。

  • 新規プロジェクトの立ち上げ時:複数の部署や担当者が関わるプロジェクトを開始する際、全員の認識を合わせ、同じ方向を向いて進めることが重要です。
  • 組織変更や制度改定時:新しい制度やルールを導入する際、全社で同じタイミングでの実施が求められます。
  • 部門間連携の強化時:異なる部門が協力して業務を進める際、互いの進捗や方針を合わせることが必要です。
  • グローバル展開時:海外拠点との連携において、方針や戦略を統一する必要がある場面です。
  • 品質管理の標準化時:製品やサービスの品質を一定に保つため、全部門で同じ基準を適用する場面です。
  • 危機管理対応時:問題発生時に、全社で統一された対応を取る必要がある場面です。

「足並みを揃える」目上の人に使う敬語

ビジネスアドバイザー

目上の方への敬語は、誠意を持って丁寧に、かつ簡潔に表現することを心がけましょう。

  • 「足並みを揃える」という表現自体は敬語ではありませんが、以下のように敬語表現に変換できます。
    – 「足並みを揃えていただく」(謙譲語)
    – 「足並みをお揃えになる」(尊敬語)
    – 「足並みを揃えさせていただく」(謙譲語)
  • 文全体の敬語表現例:
    – 「皆様と足並みを揃えさせていただきたく存じます」
    – 「部署間で足並みをお揃えいただければと存じます」
目上の方に使用する際は、指示を仰ぐような謙虚な姿勢で使用することが重要です。また、一方的な提案や押し付けがましい表現は避け、相手の意見を尊重する表現を心がけます。

言い換え&類語

「歩調を合わせる」
同じペースで進むことを意味し、より具体的な行動のイメージを伝えることができます。
「同じ方向を向く」
目標や方針を共有することを強調する表現として使用できます。
「一枚岩になる」
組織の結束力や一体感を表現する際に効果的です。
「協調する」
互いに協力して物事を進めることを表す際に使用します。
「歩みを共にする」
長期的な協力関係を示す際に適しています。
「軌を一にする」
より格式高い表現として、文書などで使用できます。
「意思統一を図る」
考え方や方針を合わせることを強調する表現です。
「共同歩調を取る」
特に他社や他部門との協力関係を示す際に使用します。
「同調する」
相手の考えや行動に合わせることを表現します。
「連携を取る」
互いに協力して進めることを示す一般的な表現です。
「歩調を揃える」
「足並み」を「歩調」に置き換えた、より一般的な表現として使えます。
言い換えのコツとしては、状況や文脈に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。フォーマルな文書では「軌を一にする」や「意思統一を図る」など、格式の高い表現を選びます。日常的なビジネスコミュニケーションでは「連携を取る」や「協調する」など、より一般的な表現を使用します。

「足並みを揃える」間違った使用法

ビジネスアドバイザー

表現の誤用は、意図と異なるメッセージを伝えてしまう可能性があるため、細心の注意が必要です。

  • 「足並みを合わせる」
    → 「揃える」が正しい表現です。「合わせる」は誤用です。
  • 「とりあえず足並みを揃えておきましょう」
    → 曖昧な目的や一時的な対応を示す言葉と組み合わせるのは不適切です。明確な目的と計画が必要です。
  • 「個人の意見は出さずに足並みを揃えましょう」
    → 個性や創造性を否定する文脈での使用は不適切です。多様性を認めた上での協調を示すべきです。
  • 「部下と足並みを揃えるように指示した」
    → 強制的なニュアンスでの使用は不適切です。互いの協力や理解を基にした自発的な行動を表現するべきです。
  • 「急いで足並みを揃えてください」
    → 拙速な同調を求める表現との組み合わせは不適切です。十分な理解と納得のプロセスが必要です。

「足並みを揃える」まとめ

ビジネスアドバイザー

組織の一体感を高めるには、全員が同じビジョンを共有し、その実現に向けて協力することが不可欠です。

「足並みを揃える」という表現は、組織内の協調と統一性を実現するための重要な概念を表しています。単なる同調ではなく、目的を持って全員が同じ方向に進むことの大切さを示す言葉です。

この表現は、部門間の連携強化や新規プロジェクトの立ち上げなど、様々なビジネスシーンで活用できます。特に、組織の規模が大きくなるほど、方向性を統一することの重要性は増していきます。

ビジネスの成功には、個々の能力を活かしながらも、組織として一体となって進むことが欠かせません。「足並みを揃える」という考え方は、この理想的なバランスを実現するための鍵となります。

今後のビジネス環境では、多様な働き方や価値観を受け入れながら、組織としての一体感を保つことが求められます。その中で、互いを理解し、支え合いながら進む「足並みを揃える」という姿勢は、より一層重要になっていくでしょう。