「存じ上げておりません」の意味と使い方、ビジネス例文&言い換え。目上への敬語文法

「存じ上げておりません」は、ビジネスシーンで相手や事柄について「知りません」という意味を丁寧に伝える表現です。単なる「知らない」という意味以上に、謙虚な姿勢と礼儀正しさを示す言葉です。

この言葉は特に初対面の方や取引先との会話で使用され、相手への敬意を込めながら、自分の知識や認識の状態を伝えることができます。相手の立場を考慮しつつ、誠実に対応する姿勢を示すことができる表現です。
Q
ビジネスにおいて「存じ上げておりません」の意味は?
A

取引先や上司に対して「知りません」という意味を伝える際に使用する、最も丁寧な表現の一つです。謙虚な態度で自分の認識状態を伝えることができます。

「存じ上げておりません」ビジネスでの意味と使い方

ビジネスの場面において、「存じ上げておりません」は単に「知らない」という事実を伝えるだけでなく、相手への配慮と敬意を示す重要な役割があります。特に取引先や上司との会話で使用することで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。また、この表現を適切に使用することで、相手との良好な関係を築くことにもつながります。
ビジネスアドバイザー

初対面の方との会話では、相手の質問に対して即座に「知りません」と答えるのではなく、「存じ上げておりません」を使うことで、より丁寧で誠実な印象を与えることができます。

  • 相手の質問や話題に対して、知識がない場合に使用する最も丁寧な表現方法です。
  • 特に初対面の方や目上の方との会話で使うことで、礼儀正しさと教養の高さを示すことができます。
  • 謝罪の意味合いを含めて使用することで、相手への配慮も示すことができます。

ビジネス例文

ビジネスシーンでは、状況に応じて適切な表現方法を選ぶことが重要です。以下の例文は、実際のビジネス場面で使用できる自然な表現をまとめたものです。
ビジネスアドバイザー

取引先との初回の商談では、相手の情報について「存じ上げておりません」を使うことで、誠実で謙虚な印象を与えることができます。

申し訳ありませんが、そちらの件については存じ上げておりませんので、確認させていただけますでしょうか。
ご指摘の案件については存じ上げておりませんが、担当部署に確認してご回答いたします。
大変恐縮ですが、その商品の詳細は存じ上げておりませんので、改めて調べさせていただきます。
そちらの会社様とは存じ上げておりませんので、詳しい情報をご教示いただけますと幸いです。
その方のお名前は存じ上げておりませんが、確認の上、折り返しご連絡させていただきます。
申し訳ございませんが、その経緯については存じ上げておりませんので、担当者に確認いたします。
その件に関しては存じ上げておりませんが、すぐに調査してご報告いたします。
先日のミーティングの内容は存じ上げておりませんので、議事録を確認させていただきます。
これらの例文は、ビジネスシーンにおいて相手への配慮を示しながら、自分の認識状態を適切に伝えることができます。特に「存じ上げておりません」の後に、次のアクションを示すことで、より誠実な対応を示すことができます。また、謝罪の言葉を添えることで、より丁寧な表現となります。

言い換え

「存じ上げておりません」は状況に応じて、より適切な表現に言い換えることができます。以下に、場面や相手に応じた言い換え表現をご紹介します。
ビジネスアドバイザー

状況や相手によって言い換え表現を使い分けることで、より適切なコミュニケーションが可能になります。

「承知いたしておりません」
より丁寧な表現で、特に上司や取引先に対して使用できます。
「把握しておりません」
事実関係や状況について知らないことを伝える際に適しています。
「認識しておりません」
業務上の事項について、知識がないことを伝える場合に使用します。
「存知しません」
やや格式ばった表現で、フォーマルな場面で使用できます。
「承知しておりません」
一般的なビジネスシーンで広く使用できる表現です。
「了知しておりません」
文書やメールでよく使用される表現となっています。
「存じません」
「存じ上げておりません」よりもやや簡潔な表現です。
「確認しておりません」
特定の情報について調べていない場合に使用します。
「把握できておりません」
現時点での状況を説明する際に適しています。
「知識がございません」
専門的な内容について、自分の理解が不足している場合に使用します。
これらの言い換え表現は、状況や相手との関係性に応じて適切に選択することが重要です。特に、フォーマルな場面では、より丁寧な表現を選ぶように心がけましょう。

「存じ上げておりません」上司に使う敬語

ビジネスアドバイザー

上司との会話では、適切な敬語を使用することで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

  • 「存じ」は「知る」の謙譲語です。
  • 「上げる」は相手を高める意味の補助動詞として使用されています。
  • 「おります」は「いる」の謙譲語として機能しています。
  • 「ません」は丁寧語の否定形として使用されています。
上司に対して「存じ上げておりません」を使用する際は、謙虚な態度で伝えることが重要です。特に、単に知らないことを伝えるだけでなく、その後の対応や解決策も併せて提案することで、より良い印象を与えることができます。また、上司の質問に対して即座に答えられない場合でも、焦らず丁寧に対応することが大切です。

ビジネスメール例

ビジネスアドバイザー

メールでは特に、文章の前後の流れを意識して「存じ上げておりません」を使用することが重要です。

掲題:先日のご提案に関する確認について

山田電機株式会社
佐藤様

いつもお世話になっております。

先日ご提案いただきました新規プロジェクトについて、ご確認させていただきたい点がございます。

ご提案の中で言及されていた海外展開の実績について、弊社では存じ上げておりませんので、詳しい情報をご提供いただけますと幸いです。

特に、過去の類似案件での成功事例などございましたら、ぜひお教えいただきたく存じます。

ご多忙のところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。

株式会社グローバルソリューションズ
営業部 鈴木一郎

「存じ上げておりません」間違った使用法

ビジネスアドバイザー

不適切な使用は、かえって失礼な印象を与える可能性があるので注意が必要です。

  • 「全然存じ上げておりません」
    「全然」という言葉は口語的で、この表現との組み合わせは不適切です。
  • 「存じ上げておりませんけど」
    「けど」は口語表現であり、ビジネス文書では使用を避けるべきです。
  • 「よく存じ上げておりません」
    「よく」という副詞は、この表現とは相性が悪く、矛盾した印象を与えます。
  • 「存じ上げていません」
    「おります」を「います」に変えることで、敬語としての整合性が取れなくなります。

「存じ上げておりません」を使用するビジネスシーン

ビジネスにおいて「存じ上げておりません」は、相手への敬意を示しながら自分の知識状態を伝える重要な表現として活用されます。特に初対面の方や取引先との会話で使用することで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。また、この言葉を使用する際は、単に「知らない」と伝えるだけでなく、その後の対応も含めて伝えることが重要です。
ビジネスアドバイザー

取引先との初めての商談では、相手の情報について「存じ上げておりません」を使用し、その後の具体的なアクションを示すことで、誠実な印象を与えることができます。

  • 取引先の企業について初めて質問された場合
  • 上司から過去の案件について尋ねられた時
  • 顧客から特定の商品やサービスについて問い合わせを受けた際
  • 会議で初めて聞く内容について質問された場合
  • 社内の他部署の業務内容について尋ねられた時
  • 新規プロジェクトの過去の経緯について聞かれた場合
  • 取引先の担当者が変更になり、新しい方と初めて接する時
  • 業界の専門的な用語や知識について質問された際
  • 他社の製品やサービスについて意見を求められた場合
  • 過去の取引実績について初めて質問された時

まとめ

「存じ上げておりません」は、ビジネスシーンにおいて知識や情報の不足を丁寧に伝える重要な表現です。この言葉を使用することで、相手への敬意と謙虚な姿勢を示すことができます。

適切な場面で使用することで、プロフェッショナルな印象を与えることができ、円滑なビジネスコミュニケーションを実現することができます。特に、この表現の後に具体的なアクションプランを示すことで、より誠実で責任感のある対応となります。

状況や相手との関係性に応じて、言い換え表現を適切に選択することも重要です。また、謝罪の意を込めた表現と組み合わせることで、より丁寧な対応が可能となります。

ビジネスの場面では、単に「知らない」という事実を伝えるだけでなく、相手への配慮と今後の対応を示すことが大切です。この表現を適切に使用することで、信頼関係の構築にもつながります。