「お見せします」失礼のない敬語の使い方。ビジネス例文&メール作成例まとめ

「お見せします」は日本語の丁寧な表現で、何かを相手に見せる意思を伝える言葉です。ビジネスシーンでよく使われ、資料や製品などを提示する際に用います。相手への敬意を示しながら、情報や物を視覚的に共有する意図を表現できる便利なフレーズでしょう。

この表現は、単なる「見せる」という行為に敬語表現を加えることで、より丁寧さが増した言い方になります。ビジネスコミュニケーションにおいて、適切な敬語を使うことは信頼関係構築の基本となるものです。

Q
ビジネスにおいて「お見せします」の意味は?
A

ビジネスでは「資料や製品などを相手に提示する」という意思を丁寧に伝える表現です。自分の行動に謙譲の意を込めながら、相手に対して何かを視覚的に共有する際に使います。

「お見せします」上司への正しい敬語の使用法

「お見せします」は敬語表現の一つで、「見せる」という動詞に敬語が付いた形です。この表現は謙譲語の要素を含んでいます。言葉を分解すると、「お(接頭語)」+「見せ(動詞の連用形)」+「します(丁寧語)」となり、自分の行動を謙虚に表現しています。

この言葉の中で、「お〜します」という形は謙譲語の一つのパターンであり、自分の行動を控えめに表現することで相手を立てる効果があるでしょう。上司に対して使う場合は特に適切な敬語表現といえます。

ビジネスアドバイザー

上司への敬語は一貫性を保つことが大切ですよ。会話の途中で敬語レベルが変わると印象が悪くなります!

  • 「お」:接頭語(丁寧さを表す)
  • 「見せ」:動詞「見せる」の連用形
  • 「します」:動詞「する」の丁寧語
上司に使う際の注意点としては、まず使うタイミングが重要です。資料や成果物など、実際に視覚的に共有するものがある場合に使用しましょう。また、言葉だけでなく、姿勢や態度も大切です。資料を手渡す際は両手で丁寧に、目線も合わせるといった非言語コミュニケーションも併せて意識すると良いでしょう。

さらに、上司の時間を尊重する意味でも、見せる内容は事前に整理し、要点を簡潔にまとめておくことが大切です。「お見せします」と言った後に、準備不足な資料を見せるのは避けたいものですね。

「お見せします」の敬語を用いた言い換え

「ご覧いただけますでしょうか」
相手の行動に焦点を当て、より丁寧に見てもらうようお願いする表現です。
「ご確認いただければと存じます」
相手に確認してもらいたいという意図を、より丁寧に伝える言い方になります。
「拝見していただきたく存じます」
やや格式高い表現で、ビジネス文書などでよく使われるフレーズでしょう。
「お目通しください」
文書などを読んでもらう際に使う丁寧な表現であり、特に上位者に対して使うことが多いですね。
「ご参照いただけますか」
参考資料などを見てもらう際に使う表現で、相手の行動に敬意を示しています。
「ご披露させていただきます」
新製品や新しいアイデアなどを初めて見せる場合に使うことがあります。
「ご案内申し上げます」
場所や情報などを示す際に使う丁寧な表現になっています。
「ご提示させていただきます」
提案や証拠などを形式的に見せる場合に使われる表現です。
「ご紹介させていただきます」
人や商品、サービスなどを初めて見せる際に使う丁寧な言い回しといえるでしょう。
言い換えのポイントとしては、相手の立場や状況に合わせて適切な表現を選ぶことが大切です。単に「お見せします」だけでなく、見せる内容や目的に応じて言葉を選ぶと、より丁寧で適切なコミュニケーションができるでしょう。

また、TPOに合わせて言葉の格式を調整することも重要です。堅苦しすぎる表現はかえって距離感を生むこともあるため、相手との関係性や場の雰囲気に合わせて言い換えを工夫するとよいですね。

言い換え表現 フォーマル度 使用シーン
お見せします 標準 一般的なビジネスシーン
ご覧いただけますでしょうか やや高い 目上の人や顧客との会話
ご提示させていただきます 高い フォーマルな会議や文書

ビジネス例文一覧

ビジネスシーンでの「お見せします」の使い方は状況によって微妙に異なります。商談、プレゼンテーション、資料共有など、場面に応じた適切な使い方があるでしょう。相手の立場や関係性によっても表現を調整することが大切です。

さらに、「お見せします」の前後にどのような言葉を添えるかによって、丁寧さや意図が変わってきます。以下の例文では、様々なビジネスシーンでの使い方を紹介しています。

ビジネスアドバイザー

例文を自社用にカスタマイズして、社内マニュアルに取り入れましょう!

新しい製品サンプルをお見せしますので、少々お待ちください。
市場調査の結果をグラフでお見せしますと、傾向がより分かりやすくなります。
先日お約束した企画書を本日お見せしますので、ご検討いただければ幸いです。
弊社の最新技術について、デモンストレーションをお見せします
会議の前に資料をお見せしますので、ご確認をお願いいたします。
改善点を具体的にお見せしますので、ご意見をいただけますと助かります。
次回プロジェクトでは新しいアプローチをお見せしますよう準備しております。
ご質問の件について、実際の数値をお見せしますとより明確になるかと思います。
今後の展開について、ロードマップをお見せしますので、ご参考にしていただければと存じます。
契約内容の詳細を書面でお見せしますので、ご確認ください。
これらの例文からわかるように、「お見せします」は情報や資料、製品などを相手に提示する際に広く使える表現です。特に重要なのは、単に見せるだけでなく、その後の行動(確認、検討、意見など)を促す言葉を添えることで、コミュニケーションがより円滑になります。

また、タイミングを示す言葉(「本日」「会議の前に」など)や、見せる目的(「より分かりやすくなります」「ご参考にしていただければ」など)を添えることで、相手に対する配慮が伝わる表現になっているのが特徴です。ビジネスシーンでは、このような細やかな言葉遣いが信頼関係構築につながるでしょう。

「お見せします」ビジネスでの意味合い

ビジネスにおいて「お見せします」は単なる言葉以上の意味を持ちます。この表現は、情報や資料を共有する意思だけでなく、相手への敬意や協力の姿勢を示す役割も果たしています。特に、提案や報告の場面では、自分の考えや成果を相手に理解してもらいたいという積極的な意図も含まれているでしょう。

また、「お見せします」という言葉には、「これから提示する情報には価値がある」というニュアンスも含まれています。単に「見てください」と言うよりも、見せる側の自信や誠意が伝わる表現といえますね。相手の時間を頂いて何かを見てもらうという意識が含まれている点も、ビジネスマナーとして重要です。

ビジネスアドバイザー

「お見せします」の後には必ず価値ある情報を提供しましょう!相手の期待を裏切らない準備が重要ですよ。

使うときのポイントは以下の通りです。
  • 見せる内容に自信と価値があることを前提に使いましょう。単なる中間報告や未完成の資料では、「参考までにご覧ください」などの表現の方が適切な場合もあります。見せる内容が相手にとって有益であるかを事前に考慮することが重要です。
  • 言葉だけでなく、実際の見せ方にも配慮しましょう。特に紙の資料を見せる場合は、向きを相手に合わせる、両手で丁寧に渡すなど、非言語コミュニケーションも大切です。デジタル資料の場合も、見やすいように画面の向きや大きさを調整する気配りが必要でしょう。
  • タイミングも重要です。「お見せします」と言ったら、すぐに見せられる準備ができている状態であるべきです。「お見せします」と言ってから長時間準備に手間取るようでは、相手の時間を無駄にすることになります。効率的な情報共有を意識しましょう。

ビジネスメール作成例

掲題:新商品資料のご共有について

山田電機株式会社
鈴木様

平素より大変お世話になっております。

佐藤商事の佐藤でございます。

先日ご相談いただきました新商品ラインナップにつきまして、最新の資料が完成いたしましたので、添付ファイルにてお見せします

特に3ページ目の価格表と5ページ目の納期情報をご確認いただければ幸いです。

ご不明点やご質問などございましたら、いつでもお知らせください。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

佐藤商事株式会社
営業部 佐藤太郎
TEL: 03-1234-5678
このようなビジネスメールを作成する際、件名は内容が一目でわかるように具体的に書くことが大切です。「お見せします」という表現を使う場合は、何を見せるのかを明確にし、なぜそれが相手にとって価値があるのかも簡潔に伝えるとよいでしょう。

また、メールでは「お見せします」と書いた後に、実際に見せる資料(添付ファイルや本文中の情報)への誘導を忘れないことが重要です。さらに、資料の中で特に注目してほしいポイントを指定すると、相手の時間を節約できる親切な対応になります。

メールの最後には次のアクションを明確にしておくと、コミュニケーションがスムーズに進みます。「ご質問があればお知らせください」など、相手が何をすべきかを示しておくことで、ビジネスの進行がスムーズになるでしょう。

メールの構成要素 ポイント
件名 具体的で要点を押さえる 「新商品資料のご共有について」
本文中の「お見せします」 何を、なぜ見せるかを明確に 「最新の資料が完成いたしましたので」
次のアクション 相手に期待する行動を示す 「ご不明点やご質問などございましたら」

「お見せします」を使うビジネスシチュエーション

「お見せします」は様々なビジネスシーンで活用できる便利な表現です。特にプレゼンテーションや商談、報告会など、視覚的な情報共有が必要な場面で頻繁に使われます。この表現を使うことで、単に情報を渡すだけでなく、その情報に価値を持たせ、相手の注目を集める効果があるでしょう。

また、問題解決の場面でも効果的です。「解決策を具体的にお見せします」と言うことで、抽象的な説明よりも明確で説得力のある提案ができます。相手の理解を促進し、信頼関係を構築するための言葉として活用できるでしょう。

ビジネスアドバイザー

「お見せします」の前に「具体的に」「詳細に」などの副詞を添えると、より説得力が増しますよ!

  • 新製品や新サービスの紹介時:製品サンプルやデモンストレーションを顧客に見せる場面で使います。視覚的に実物を確認してもらうことで、製品の特徴や品質を効果的に伝えることができます。特に「実際にお見せします」と言うことで、カタログだけでなく現物を見せる価値を強調できるでしょう。
  • プレゼンテーションでのデータ共有:「具体的な数字をグラフでお見せします」など、データを視覚化して説明する際に適しています。抽象的な説明よりも、実際のデータを見せることで説得力が増し、相手の理解も深まります。特に複雑な情報を伝える場合に効果的です。
  • 企画提案や報告会:「今回の企画のイメージ図をお見せします」など、アイデアや成果を視覚的に共有する場面で使用します。文字や言葉だけでは伝わりにくい内容も、図表やプロトタイプを見せることで理解を促進できます。
  • トラブル対応や問題解決時:「問題点を具体的にお見せします」と言って、実際の不具合や改善すべき点を視覚的に示す場面で使います。抽象的な説明よりも、実際の状況を見せることで問題の共有と解決策の検討がスムーズになります。
  • 契約や重要書類の確認時:「契約書の重要な箇所をお見せします」など、文書の特定部分に注目してもらう場合に使います。長い文書の中から重要なポイントを示すことで、効率的な確認作業を促進できます。
  • オフィスや施設案内時:「こちらが私どもの製造ラインですので、ご覧いただけるようお見せします」など、実際の場所や設備を案内する際にも使います。相手に実際の環境を見てもらうことで、より具体的な理解を促すことができるでしょう。

「お見せします」間違った使用法

「お見せします」は便利な敬語表現ですが、使い方を間違えると逆に失礼になったり、不自然な印象を与えたりすることがあります。特にビジネスシーンでは、適切な使用法を理解しておくことが重要です。

間違った使い方の多くは、見せる対象が不明確だったり、実際には見せないものに使ったりするケースです。また、タイミングや状況に合わない使い方も避けるべきでしょう。

ビジネスアドバイザー

「お見せします」と言ったら必ず何かを見せる準備をしておきましょう!言葉だけで終わらせないことが大切ですよ。

  • 「これが我が社の強みですから、絶対にお見せします」
    断定的すぎる言い方で、相手に圧迫感を与えてしまいます。ビジネスでは押し付けがましい印象を避け、「よろしければご覧いただきたいと思います」などの柔らかい表現が適切です。
  • 「いつか機会があれば、新製品をお見せします」
    「いつか」「機会があれば」という不確実な表現と組み合わせると、誠意が感じられません。具体的な時期を示す「来週の打ち合わせで新製品サンプルをお見せします」などが適切です。
  • 「これが市場分析の結果だと思いますので、お見せします」
    「思います」という曖昧な表現と組み合わせると、情報の信頼性に疑問を抱かせます。「こちらが確認済みの市場分析結果ですので、ご覧いただければと存じます」など、確実性のある表現が適切です。
  • 「お見せしますが、あまり期待しないでください」
    見せる内容に自信がない様子が伝わり、プロフェッショナルさに欠けます。自信がない資料は見せる前に内容を充実させるか、「参考資料として」など位置づけを明確にすべきです。
  • 「何でもお見せします!どうぞ質問してください」
    「何でも」という言葉は無責任な印象を与え、対象が不明確です。「弊社の製品ラインナップについて詳細資料をご用意しております。ご関心のある分野をお知らせいただければ、該当資料をお見せします」など、範囲を明確にしましょう。

まとめ

「お見せします」は、ビジネスシーンで何かを視覚的に提示する際に使う丁寧な表現です。単なる「見せる」という行為に敬語を加えることで、相手への敬意と自分の行動への謙虚さを同時に表現できる便利なフレーズといえるでしょう。特に、資料や製品、データなどを共有する場面で活用することで、プロフェッショナルな印象を与えられます。

この表現を使う際の最大のポイントは、言葉と行動の一致です。「お見せします」と言ったら、実際に価値ある情報を視覚的に共有する準備ができていることが大前提となります。空約束や準備不足は、かえって信頼を損なう結果になりかねません。

また、TPOや相手との関係性に応じて、より丁寧な言い換え表現を選ぶことも重要です。「ご覧いただけますでしょうか」「ご確認いただければと存じます」など、状況に応じた適切な表現を使い分けることで、よりスムーズなコミュニケーションが実現できるでしょう。

ビジネスパーソンとして成長するためには、「お見せします」のような基本的な敬語表現を適切に使いこなすことが大切です。形式的な言葉遣いに終始するのではなく、相手の立場や状況を考慮した真心のこもったコミュニケーションを心がけましょう。そうすることで、単なる情報共有を超えた、信頼関係の構築につながっていくはずです。