丁寧な印象を与えるため、特に上司や取引先とのコミュニケーションでよく使われる言葉ですね。
- Qビジネスにおいて「申しておりました」の意味は?
- A
ビジネスでは「以前お伝えした」という意味で使われます。自分の過去の発言を謙虚に表現することで相手への敬意を示す言葉です。
目次
「申しておりました」ビジネスでの意味合い
「申しておりました」は、ビジネスシーンで「以前にお伝えしていました」という意味で使われる丁寧な表現です。過去に自分が相手に何かを伝えた事実を謙譲語で表現することで、相手への敬意を示しています。特に取引先や上司とのやり取りで、過去の発言や約束を思い出させたい場合によく使われますね。

過去の約束を思い出させる際は、具体的な日付も添えると信頼感が増しますよ!
場面 | 使用例 | 効果 |
---|---|---|
会議の場 | 先日の会議で申しておりました通り、プロジェクトは予定通り進行しております | 発言の一貫性を示せる |
メール | 前回のメールで申しておりました件について、ご検討いただけましたでしょうか | 丁寧さと過去の連絡の確認 |
電話 | 昨日申しておりました資料を送付いたしました | 約束の履行を示せる |
- 必ず過去の自分の発言や約束に言及するときに使いましょう。自分が初めて伝える内容には使えません。「先日申しておりました件」のように、いつ、どのような場面で伝えたのかを明確にすると、相手も思い出しやすくなります。
- 謙譲語なので、自分の行動を表現する場合に限って使います。相手や第三者の行動を表現する場合は別の敬語表現を使いましょう。例えば相手の発言なら「おっしゃっていました」などが適切です。
- フォローアップの際に効果的です。前回の連絡から間が空いた場合、「先週申しておりました件について進展がございます」のように使うと、話の流れが自然になります。
「申しておりました」上司や目上への正しい敬語
「申しておりました」は複数の敬語表現が組み合わさった表現です。文法的に分解すると以下のようになります:要素 | 種類 | 説明 |
---|---|---|
申し | 謙譲語 | 「言う」の謙譲語 |
て | 接続助詞 | 動作の継続・完了を表す |
おり | 謙譲語 | 「いる」の謙譲語 |
ました | 丁寧語 | 丁寧な過去形 |
- 「申す」は「言う」の謙譲語で、自分の発言行為を低めて表現します。相手に対する敬意を示す効果があります。
- 「おる」は「いる」の謙譲語で、自分の状態を謙虚に表現します。「~ております」の形で継続的な動作や状態を表します。
また、上司に報告する際は具体的な内容も添えると良いですね。「先日申しておりました件ですが、予算の見直しが完了しました」のように、何について言及しているのかを明確にすることが大切です。

上司が忙しい場合は、前回いつ伝えたかも簡潔に添えると親切ですよ!
「申しておりました」の敬語を用いた言い換え
「お伝えしておりました」
「申す」を「伝える」の謙譲表現に変えた形です。やや柔らかい印象を与えながらも、丁寧さは保たれています。
「申す」を「伝える」の謙譲表現に変えた形です。やや柔らかい印象を与えながらも、丁寧さは保たれています。
「ご報告しておりました」
より公式な内容や重要事項について言及するときに適しています。報告という言葉でフォーマル感が増すでしょう。
より公式な内容や重要事項について言及するときに適しています。報告という言葉でフォーマル感が増すでしょう。
「お話ししておりました」
会話の中で伝えた内容に言及する場合に自然な表現ですね。少しカジュアルな印象になります。
会話の中で伝えた内容に言及する場合に自然な表現ですね。少しカジュアルな印象になります。
「申し上げておりました」
「申しておりました」よりさらに丁寧な表現です。特に重要な内容や、より敬意を示したい相手に使うと良いでしょう。
「申しておりました」よりさらに丁寧な表現です。特に重要な内容や、より敬意を示したい相手に使うと良いでしょう。
「ご説明しておりました」
詳細な情報や複雑な内容について過去に説明した場合に適しています。説明という言葉で内容の重要性が伝わります。
詳細な情報や複雑な内容について過去に説明した場合に適しています。説明という言葉で内容の重要性が伝わります。
「言及しておりました」
フォーマルな文書や、学術的・専門的な内容について述べた場合に使える表現かもしれません。
フォーマルな文書や、学術的・専門的な内容について述べた場合に使える表現かもしれません。
「述べておりました」
意見や見解について話した場合に適した表現です。自分の考えを伝えた場合によく使われます。
意見や見解について話した場合に適した表現です。自分の考えを伝えた場合によく使われます。
「お知らせしておりました」
情報提供をした場合に適した表現ですね。告知的な内容に向いています。
情報提供をした場合に適した表現ですね。告知的な内容に向いています。
「申し述べておりました」
非常に丁寧な表現で、公式な場や特に敬意を示したい相手との会話で使えます。
言い換えを選ぶポイントは、伝えた内容の性質や、相手との関係性、場面の公式さによって変わってきます。例えば、より重要な報告には「ご報告しておりました」、詳細な説明なら「ご説明しておりました」が適しているでしょう。
非常に丁寧な表現で、公式な場や特に敬意を示したい相手との会話で使えます。

相手の立場や状況に合わせて言い換え表現を選ぶと、より洗練された印象を与えられますよ!
「申しておりました」間違った使用法
「申しておりました」は便利な敬語表現ですが、使い方を間違えると逆に不自然な印象を与えてしまいます。以下に間違った使用例をご紹介します。- 「山田部長が申しておりました通り、今月の売上は好調です」
他者の発言に「申しておりました」を使っています。これは自分の発言にのみ使うべき表現です。正しくは「山田部長がおっしゃっていました通り」などとすべきです。 - 「今回初めて申しておりますが、新商品の発売日が決定しました」
過去に言及していない内容に使っています。「申しておりました」は過去に既に伝えた内容について言及する表現です。初めての内容なら「申し上げます」が適切です。 - 「申しておりましたけど、やっぱり気にしないでください」
カジュアルな表現「けど」と組み合わせており、敬語レベルに一貫性がありません。「申しておりましたが、改めて検討した結果…」などとするべきです。 - 「彼女が申しておりました件について」
第三者の発言に使っています。「彼女が言っていた件」または「彼女がお話しされていた件」が正しい表現です。 - 「申しておりましたことを忘れてください」
過去の発言を否定・撤回する際にそのまま使っています。撤回する場合は「先日申し上げた件については、訂正させていただきます」などとした方が適切です。

敬語は一貫性が命!表現のレベルをミックスすると不自然になるので注意しましょう!
ビジネス例文大全
先日の会議で申しておりました新プロジェクトの件ですが、予算が承認されました。
前回申しておりました通り、納期は今月末となっております。
昨日電話で申しておりました見積もりを添付いたしましたので、ご確認ください。
申しておりましたスケジュールに変更が生じましたので、改めてご連絡いたします。
先週のミーティングで申しておりました懸念点について、解決策を検討いたしました。
以前メールで申しておりました資料を本日中に送付させていただきます。
打ち合わせの際に申しておりました条件について、具体的な数字をまとめてみました。
前回の訪問時に申しておりましたサービス内容の詳細資料が完成いたしました。
先日申しておりました製品の納入日ですが、予定通り来週水曜日となります。
会議で申しておりましたアンケート結果の分析が完了しましたので、ご報告いたします。
この表現を使う際のポイントは、過去の自分の発言を明確に思い出させることにあります。「先日」「前回」「以前」などの時期を示す言葉と組み合わせると、相手も何について言及しているのかが分かりやすくなるでしょう。

相手が多忙な場合は、前回の話の要点も添えると親切な印象を与えられますよ!
ビジネスメール作成例
掲題:先日ご相談の新規プロジェクトに関する進捗報告
東洋商事株式会社
佐藤様
お世話になっております。丸の内開発の鈴木です。
先日のお打ち合わせで申しておりました新規プロジェクトの件につきまして、進捗をご報告いたします。
弊社内で検討した結果、ご提案いただいた予算内での実施が可能となりました。
また、前回申しておりました通り、プロジェクト開始は4月からとなりますが、準備作業を3月中旬から始めることで、よりスムーズな立ち上げが可能と考えております。
つきましては、改めて詳細な実施計画書を作成いたしましたので、添付ファイルにてご確認いただけますと幸いです。
ご不明点やご要望等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
丸の内開発株式会社
営業部 鈴木一郎
TEL: 03-XXXX-XXXX
Email: suzuki@marunouchi.co.jp
ビジネスメールで「申しておりました」を使う際は、何について言及しているのかを明確にすることが大切です。上記の例では「先日のお打ち合わせで」というように、いつ・どのような場で伝えたのかを具体的に示しています。
東洋商事株式会社
佐藤様
お世話になっております。丸の内開発の鈴木です。
先日のお打ち合わせで申しておりました新規プロジェクトの件につきまして、進捗をご報告いたします。
弊社内で検討した結果、ご提案いただいた予算内での実施が可能となりました。
また、前回申しておりました通り、プロジェクト開始は4月からとなりますが、準備作業を3月中旬から始めることで、よりスムーズな立ち上げが可能と考えております。
つきましては、改めて詳細な実施計画書を作成いたしましたので、添付ファイルにてご確認いただけますと幸いです。
ご不明点やご要望等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
丸の内開発株式会社
営業部 鈴木一郎
TEL: 03-XXXX-XXXX
Email: suzuki@marunouchi.co.jp

メールの件名には内容が一目でわかるキーワードを含めると、相手に配慮した印象を与えられますよ!
「申しておりました」を使うビジネスシチュエーション
「申しておりました」は様々なビジネスシーンで活用できる便利な表現です。特に、過去の発言や約束に言及する必要がある場合に適しています。信頼関係の構築や、コミュニケーションの連続性を示すのに役立ちます。- プロジェクト進捗の報告時:「先週の会議で申しておりましたスケジュールに沿って、第一段階が完了しました」など、過去に説明した計画の進捗状況を報告する場面で効果的です。相手に計画通りに進んでいることを示し、安心感を与えられます。
- 商談の継続場面:「前回の商談で申しておりました特別価格について、正式に承認が下りました」など、前回の交渉内容を踏まえた新しい情報を伝える際に使います。交渉の連続性を示せます。
- フォローアップのメールや電話:「先日のメールで申しておりました件について、何かご質問はございますか」のように、過去のコミュニケーションの確認や返答を促す場面で使えます。相手の反応を引き出せるでしょう。
- 予定や約束の確認:「先週申しておりました通り、明日15時にお伺いする予定です」など、過去に伝えた予定を再確認する場面で使います。約束を守る姿勢をアピールできます。
- 提案内容の具体化:「前回申しておりましたサービスプランの詳細資料を作成しました」など、以前に概要を伝えた提案の詳細を説明する場面で使えます。話の展開に一貫性が生まれます。
- 問題解決の報告:「先日申しておりました課題について、解決策が見つかりました」など、以前に伝えた問題の解決状況を報告する場面で使えます。対応の早さや誠実さをアピールできます。

約束したことのフォローは信頼構築の基本!必ず実行したことを伝えましょう!
まとめ
「申しておりました」は過去の自分の発言を謙虚に表現するビジネス敬語です。自分の言動を低め、相手への敬意を示す効果があります。この表現は常に過去の自分の発言にのみ使い、相手や第三者の発言には使わないことが重要です。また、時期や場面を明確にすると相手も思い出しやすくなります。
ビジネスでの信頼関係構築に役立つ表現ですが、使いすぎると冗長になることもあるため、状況に応じて適切に使い分けましょう。過去の約束を守る姿勢を示す場面で特に効果的です。
最終的には相手に配慮しながら、自然なコミュニケーションを心がけることが大切です。適切な敬語使用は、プロフェッショナルとしての印象を高める重要な要素といえるでしょう。