【伊藤智彦氏インタビュー】ビジネスでのチャットコミュニケーションの注意点

伊藤智彦氏

ビジネスでのチャットコミュニケーションは、社内の業務を円滑に進める上で必要不可欠な要素です。株式会社エスケイワードで執行役員を務め、東京、名古屋というオフィス環境で若手メンバーのマネジメントも行う伊藤智彦氏に、チャットコミュニケーションの注意点を伺いました。

Q1:自己紹介をお願いします。

こんにちは。伊藤と申します。現在は株式会社エスケイワードの執行役員を務めています。​

2006年に入社し、ディレクターとして多数の大規模Webサイト制作プロジェクトに携わってきました。​2019年からはWeb制作部門の事業責任者を担当し、2023年にはプロジェクトマネジメントに特化した組織であるPMO(Project Management Office)を設立、​2024年より現職に就き、プロジェクトマネジメントの社内浸透やプロジェクトごとの収益管理を行っています。

名古屋と東京にオフィスがあるため、リモートでのコミュニケーションが主流になっています。​勤務形態としては、週に2~3回リモートワークを取り入れていまして、オンラインミーティングやチャットツールは日常的に活用しています。​特にチャットはコミュニケーションの比重の大きいツールと言えますね。

Q2:社内メンバーとのチャットコミュニケーションで注意している点や配慮しているポイントを教えてください。

1.相手に応じた表現の選択

社内では主に「Chatwork」を使用しています。​チャットを利用する際は、相手の感情が読みにくいオンラインという環境なので、メンバーに冷たい印象を与えないよう心がけています。​例えば、若手メンバーには「!」を活用するなど、年齢や状況に応じてコミュニケーションの方法を変えるようにしています。​

2.指示語の具体性

指示語にも意識をしていて、口頭での会話では「アレ」「ソレ」といった言葉を使うことがありますが、チャットでは何を指しているのかを明確にすることで、ズレや誤解がないように意識していますね。

3.クイックレスポンス

​レスポンスに関しても重要だと考えているので、自分メンションのチャットが届いたら、できるだけ早く確認します。​「見たこと」を伝えるだけで良い内容の場合は、リアクション機能を使い、確認したことを共有するようにしています。​即対応が不要な内容については、一度「未読」にして後で確認・返信するなど、整理して対応していたりしています。​

Q3:チャットツールの使い方で具体的に工夫している例について、少し詳しく教えてください。​

自分はアプリ版ではなく、ブラウザ版のChatworkを使用しています。​

理由はメインで使っているブラウザに常時表示していると、タブにチャットの未読件数が表示されるため、通知音やデスクトップ通知を仮に見逃したとしても、タブのチャットの件数を確認することで数字として視覚的に気づくことができるためです。

Chatwork以外にSlackも併用していますが、こちらもブラウザで全て確認することで見逃しを減らしていますので個人的にはオススメの方法です。

機能/特徴 ブラウザ版 PC版アプリ スマホ版アプリ
インストール 不要 必要 必要
起動方法 ブラウザでタブを開く アプリを起動 アプリを起動
通知機能 ブラウザの通知機能を使用 独自の通知システム モバイル向けのプッシュ通知

Chatwork機能の違い

Q4:これまでに社内メンバーとのチャットコミュニケーションで大変だった点や失敗したエピソードがあれば教えてください。​

過去には、チャットの「見逃し」や「返信忘れ」が原因で、その後の対応が遅れてしまったことがあります。そのため前述したようなチャットツールの工夫など対応につながっていますね。

​また回数としてはさほど多くないのですが、投稿するグループを間違えたこともありますし、TOのメンション宛先を誤ったり、「了解」などのリアクションをするはずなのに、間違えておめでたいリアクションをしてしまったこともありますかね(笑)

Q5:その問題をどのように解消しましたか?​

1.記憶に頼らない

以前は記憶力に自信があって自力に頼っている部分もありましたが、最近は加齢に伴って忘れやすくなったと認識しています。そのため、「忘れてしまう自分」をまず受け入れ、それ前提で対策を講じるようにしています。​

2.Googleカレンダーの活用

即対応が難しい内容は「未読」にして後で対応するようにし、対応すべき事項はGoogleカレンダーのタスク機能を有効活用しています。​Googleカレンダーは日常的に使用しているため、タスクも見逃すことがありません。​タスク機能は常に表示しておけるため、何度も確認でき、対応漏れを防ぐことができています。​

Q6:社内メンバーとのチャットコミュニケーションで悩んでいる方へのアドバイスをお願いします。​

まず、チャットコミュニケーションの場合、「人は思ったほどじっくり読んでいない」ということを認識することからはじめてください。

​チャットを送っただけでは相手に伝わっていない可能性が高いので、内容が伝わったか確認することが重要です。​また、チャットを送る側は送り先が内容をちゃんと読んでいるか気にしているので、既読したら何らかの反応を返すよう心がけましょう。​忙しい時はリアクションだけでも、または「後で確認します」と一言返すだけでも良いので、反応を示すことが大切です。

​日常会話もそうですが、チャットコミュニケーションも「思いやり」が大事ですので、チャットの利点を活かしてより良いコミュニケーションを築いてください。